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       清水 哲朗 教授 インタビュー

ギリシャ語版

東京造形大学・清水哲朗教授へのインタビュー

ギリシャ訪問は今回が初めてです。ギリシャと日本は異なるという先入観を持っていましたが、実際に訪問してみると、手が込んだ調理法で繊細な味付けの料理の数々、人々の優しさと暖かさに庶民的な居心地の良さを感じ、違和感を持ちませんでした。アレクサンダー大王がアリストテレスから教育を受けたマケドニア地方に位置するテサロニキを今回訪問でき嬉しく思います。

テサロニキを訪問した感想についてお聞かせ下さい。

建築設計を専攻していた大学を卒業した翌年、舞台設計の案件に携わっていた際に友人の紹介で雅楽の舞台を観たのが最初です。空間デザイン,身体表現の観点から興味を持ち、独特の音楽に合わせた雅楽の舞ぶりが空間認識に及ぼす影響とその普遍性について設計にも通じる可能性を感じたのがきっかけでした。


今回のギャラリートークと講演についての印象をお聞かせ下さい。

ギリシャ現代美術についてあえて予備知識を持たずに訪問しましたが、マケドニア現代美術館のように、通り一辺倒の美術史に従うのではなく、自分達の目と価値観で選んだ有名・無名な寄付作品をきめ細かく展示している美術館があることに驚きました。「未来への回路」と相前後して開催される別の展示会の準備をしているアーティストとも話しましたが、最先端の企画にも果敢に挑戦している姿は興味深いものでした。

「未来への回路」は、日頃見慣れている現代美術とは異質な、日本の若手のアーティストの作品が展示されています。異質ではありますが、別物として見るのではなく、暖かいまなざし、そして細やかで丁寧な感性でストレートに作品を受け入れ,自分の目で判断して欲しいと思います。ギャラリートークや講演の参加者からの質問は、自分の意見として質問し、刺激的・異質なものに対して真摯に反応している感じで良かったです。


清水教授の今後のプロジェクトについて教えて下さい。

第2次大戦後の現代美術の流れが研究テーマです。「人間が表現する」ということについて見直す時期に来ています。私は、人間は皆,表現する力を持っている、生まれながらの表現者であると考えています。つまり、表現すること、例えば絵を描くことは特別なことではなく、生きているということの始まりで人は絵を描いているのではないでしょうか。「想像力」を意味する言葉、英語とフランス語ではimagination、ドイツ語のEinbildungskraftには絵、像を意味するImage、Bildがいずれも含まれています。瞬間瞬間を精一杯生き続けようとする人の意欲=「想像力」のレベルで、人は既に一枚の絵を描いています。人の心の源にある意欲、生命力が描くこと、表現することそのものであるとも言えます。現代は多くの人が表現することが出来る時代です。ギリシャは、共同体やアゴラ等の人の集まる場所を大事にしていると聞きました。個人がアートを通じて発信し、それで共同体が活性化し、それがまた個人に還元される自然な形で結びつくのが理想です。今回の「未来への回路」が、皆様にとって、アートに触れることをきっかけにして、自分も参加していく機会となればと思っています。
 
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