ギリシャ経済

平成30年7月31日
ギリシャ国内経済
 
平成30年7月

2009年10月解散総選挙の結果発足したパパンドレウ政権(当時)は,財政赤字の大幅な修正を発表。市場の不信から国債発行が困難となり財政危機に陥った。

2010年5月3日,ユーロ加盟国及びギリシャ政府は,ギリシャ政府による改革(緊縮・財政再建等)を条件とし,Greek Loan Facility (GLF: 注:欧州委員会が二国間融資をプール) から最大800億ユーロの第1次ギリシャ支援プログラム(MoU)に署名した(期間は2010年5月~2013年6月。注:スロバキア,アイルランド,ポルトガルは最終的に参加しなかったため,GLFは最終的には27億ユーロ減。)。また,国際通貨基金(IMF)は,2010年5月9日,ギリシャ政府による改革を条件とし,非譲許的融資の一種であるスタンドバイ取極(SBA)からの最大300億ユーロの支援を決定した。実際には,第1次支援プログラムは2010年5月から2012年3月まで実施され,合計529億ユーロが支援された。

2012年5月14日,ギリシャでの改革の遅れや景気後退による財政再建の遅れを受け、ギリシャ政府による更なる改革を条件とし,ユーロ加盟国及びギリシャ政府は,欧州金融安定ファシリティ(EFSF)を通じた最大で1,447億ユーロの第2次ギリシャ支援プログラム(MoU)に署名した(期間は2014年末迄,後に2015年6月末迄に延長。)。また 2012年3月,IMFはギリシャ向けExtended Fund Facility (4年間で最大280億ユーロ)の一環として,198億ユーロの支援を決定した。実際には,第2次支援プログラムは2012年3月から2015年6月まで実施され,合計1,418億ユーロが支援された。

2015年8月19日,ギリシャ政府の厳しい資金繰りや金融の逼迫等を受け,ギリシャ政府による更なる改革を条件とし,ユーロ加盟国は欧州安定メカニズム(ESM)を通じ,最大で860億ユーロの第3次支援プログラム(MoU)に署名した(期間は2015年8月から3年間)。

各種経済指標は改善傾向にあり,本年6月のユーログループにおいて,本年8月20日で第3次支援プログラムが終了することが決定された。現在(6月末時点)までのところ,合計469億ユーロが支援された。

支援プログラムが終了しても,75%の債務を返済するまで(期限は2060年),各種改革の実施状況に関し,国際債権団による年4回のレビューを受ける等,ギリシャは債権団の監視下に置かれる。
 
主要経済指標 %
  2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
実質GDP成長率 -4.3 -5.5 -9.1 -7.3 -3.2 0.7 -0.3 0.2 1.4
インフレ率 1.3 4.7 3.1 1.0 -0.9 -1.4 -1.1 0.01 1.14
失業率 9.6 12.7 17.9 24.4 27.5 26.5 24.9 23.6 21.5
基礎的財政収支(対GDP比) -10.1 -5.3 -3.0 -1.5 0.4 -0.02 0.7 3.8 3.7


 


 
(出典:IMF)

主要産業

 観光業、海運業、鉱工業、農林水産業

総貿易額

 輸出: 約279億ユーロ (2017年 ギリシャ統計局)

 輸入: 約463億ユーロ (2017年 ギリシャ統計局)

主要貿易品目

 輸出: 燃料、工業製品、食品、化学製品等 (2017年 ギリシャ統計局)

 輸入: 燃料、機械・輸送機器、化学製品、工業製品等 (2017年 ギリシャ統計局)

主要貿易相手国

 輸出: イタリア、ドイツ、トルコ、キプロス、ブルガリア (2017年 全ギリシャ輸出組合)

 輸入: ドイツ、イタリア、ロシア、韓国、イラク、中国 (2017年 全ギリシャ輸出組合)