「Sport for Tomorrow」世界難民の日・オリンピック・デー記念: サッカーボール贈呈式及びスポーツ・フェスティバル

平成30年6月29日
6月22日、在ギリシャ日本大使館は,世界難民の日及びオリンピック・デーを記念して、ギリシャに逃れている難民及びギリシャの子ども約50人に対し、日本国内の各団体から提供を受けたサッカーボールを贈呈しました。今回のボール提供は,難民とギリシャの子ども達にスポーツの機会を提供することで、国境や言葉の壁を越えたチームワークやフェアプレー精神、平等や友情の心を育んでもらいたいとの思いから実施したもので、供与式典にはギリシャ来訪中の鈴木大地スポーツ庁長官をはじめ、ヨルゴス・ヴァシリアディス・ギリシャ文化・スポーツ省及びルシオ・メランドリ・ユニセフ・ギリシャ事務所関係者,清水大使夫妻も出席しました。
 
式典に出席したヴァシリアディス・ギリシャ文化・スポーツ政務官は、冒頭挨拶の中で次のように述べました。「スポーツには、貧富の差や人種に関係なく、世界中の人々を団結させるという利点があります。すべての人々に差別のない平等な機会が与えられています。スポーツの場は、平等かつ公正な社会の手本と言えます。東京オリンピック開催に向け、ギリシャは様々なレベルで日本が必要とする協力を行う用意があります。」
 
続いて、鈴木大地スポーツ庁長官より、次のとおり挨拶を述べました。「『Sport for Tomorrow』は、東京がオリンピック・パラリンピック競技大会の開催国に選出されてから始まった事業です。同事業を通じて、より多くの人々がスポーツを楽しめるよう世界200ヵ国・地域でスポーツ関連イベントが展開されています。来年2019年は日本とギリシャが外交関係を結んで120周年を迎え、2020年には東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。日本はオリンピックの精神を継ぎ、オリンピックムーブメントをレガシーとして次世代に繋ぎ、平和で豊かな世界の実現に貢献していきます。また、ギリシャとのスポーツを通じた交流がこれまで以上に活性化していくことを願います。」
 
さらに、ルシオ・メランドリ・ユニセフ・ギリシャ事務所長が挨拶をし、「スポーツにはたくさんのことを乗り越えられる力があります。ギリシャにおいて難民や移民の子ども達が地元の子どもたちに溶け込む際、一番の大きな壁は言葉です。スポーツは、そのような言葉の壁を乗り越え、平等と友情の心を育む機会を提供します。」と述べました。
 
最後に、子どもを代表して女の子がギリシャ語で次のように述べました。「私は2年前にアフガニスタンから来ました。ギリシャに到着したときはギリシャ語を何も知りませんでしたが、勉強し、今では読むことも話すことも書くこともできます。私は、大きくなったら強い女の人になりたいです。そして、アフガニスタンを戦いのない国にし、すべての子供が通える学校を作りたいです。」
 
式典はアテネ市内の国立体育館「フォキアノス・スポーツパーク」において、日本大使館,ギリシャ文化・スポーツ省、ユニセフ・ギリシャ事務所の共催で行われ、続くスポーツ・フェスティバルでは、子どもたち約50人が、サッカーや柔道などのスポーツ、折り紙などに興じました。式典に先立ち、鈴木スポーツ庁長官及び清水大使はヴァシリアディス・ギリシャ文化・スポーツ政務官と会談し、スポーツ分野における両国間協力につき協議しました。
 
2017年、日本とギリシャは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、両国間友好関係の強化を目的にスポーツ分野における協力合意を結んでいます。2019年、日本とギリシャは外交・友好関係120周年を祝し、翌2020年には東京オリンピックイヤーを迎えます。本事業は日本政府のスポーツを通じた国際貢献策「Sport for Tomorrow」の一環であり、スポーツ分野における国際協力と国際交流の促進を図ることを目的としています。