日本映画祭2020 「二人の巨匠: 小津安二郎  溝口健二」

2020/1/30
2月13~16日、アテネ市内カコヤニス財団ホールにて、在ギリシャ日本大使館、同財団及び国際交流基金共催、Japan Tabaco Internationalの支援の下「日本映画祭2020」が開催されます。

今年の映画祭では、世界に誇る日本映画界の巨匠、小津安二郎監督と溝口健二監督を特集し、『二人の巨匠 小津安二郎 溝口健二』と題して、今なお国内外で高く評価されている不朽の名作4本が上映されます。同映画祭は、国際交流基金による海外における日本映画巡回上映事業の一環で実施されるものです。
 
映画祭初日の2月13日(木)オープニングでは、小津監督の代表作『東京物語』(1953年)が上映されます。また、続く14~16日には、右作品に加え小津監督の『お茶漬けの味』(1952年)、溝口監督の代表作『西鶴一代女』(1954年)、『近松物語』(1957年)が上映されます(ギリシャ語・英語字幕付)。
 
皆様お誘い合わせの上、両監督の最高傑作と日本映画の魅力をたっぷりとご堪能下さい。
 
    開催期間:2月13日(木)・14日(金)・15日(土)・16日(日)
    会場:ミハリス・カコヤニス財団ホール  (206, Piraeus Str., Tavros)
 
   共催:  ミハリス・カコヤニス財団、在ギリシャ日本大使館、国際交流基金
   支援:  JT International Hellas  
    広報協力: インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ-英字版Kathimerini紙  
 
  入場料: 3ユーロ(各回上映) 
 
 <前売りチケット>
  • ミハリス・カコヤニス財団(206 Piraeus Str., Tavros)Tel. 210 341 8579 http://www.mcf.gr
    月~金、11:00~14:00 当日の各回上映1時間前より購入可 
  • Ticketservises   (39, Panepistimiou Str., Athens) Tel.  210 7234567  www.ticketservices.gr
    月・金9:00-20:00   火・水・木 9:00-21:00   土 9:00-15:00
  • Public全店 www.public.gr 
  
<お問い合わせ先> 
日本大使館・広報文化班:Τel. 210 670 9900 
 Email: cultural@at.mofa.go.jp 

上映日程   
213  
19:30   東京物語 (小津安二郎監督 1953年/135分)

214  
19:00   西鶴一代女  (溝口健二監督   1954年/148分)
22:00   お茶漬けの味 (小津安二郎監督1952年/115分) 
 
215日(土)  
19:00   近松物語    (溝口健二監督  1957年/102分)
21:30   東京物語    (小津安二郎監督1953年/135分)
 
216日(日)  
19:00   西鶴一代女     (溝口健二監督1954年/148分)
22:00   お茶漬けの味  (小津安二郎監督1952年/115分) 
                               


«二人の巨匠 : 小津安二郎  溝口健二»        

小津安二郎 (19031963
東京生まれ。小学校の代用教員を経て、1923年松竹キネマ蒲田撮影所に撮影助手として入社、1926年に演出部に移り、翌1927年『懺悔の刃』で監督デビュー。

1949年『晩春』は、独自の撮影手法、原節子や笠智衆の起用など、「小津調」と呼ばれる戦後の小津の作品スタイルを確立し、大きな節目の作品となった。1953年に未完成だったシナリオを練り直し、『東京物語』を発表。家族の在り方を問う本作は小津映画の集大成であり、後世に語り継がれる代表作となった。

戦前戦後を通じて家族や結婚をテーマに描いた大衆性と芸術性を兼ね備えた小津の作品は54本にのぼる。全作品のすべてのショットを低位置のカメラアングル、全編カットでつなぐ手法で生み出された独特の映像世界は、今なお国内外で高く評価されている。
 

東京物語 (1953年135分)
 
©1953 Shochiku Co, Ltd.
中国地方の小都・尾道に住む老夫婦が、老後の思い出に東京に住む子供達を訪ねることに端を発して、老夫婦と成人した子供達の愛情の機微を小津監督一流のしみじみとした枯淡の筆致を以って描いている。ロケは尾道、大阪、熱海、東京を結んで行われたが、尾道では漁船の行き交う海、古い屋並、古い寺や石塔、白壁の路地等々を舞台に小津監督一流のネバリを発揮し、東京ロケでは、路地裏の物干台や下町の雑踏の中にまでカメラを持ち込んで、物事のありのままを表現している。





<あらすじ>
周吉(笠 智衆)ととみ(東山千栄子)は、東京に住む子供達を訪ねるために旅に出る。長年尾道に住みついた老夫婦にとって、それは文字通り楽しい思い出の旅であった。しかし、いざ東京に来てみると、長男・幸一(山村総)や長女・志げ(杉村春子)らは日々の生活に追われ両親にかまってやれなかった。そんな寂しい思いをする2人を慰めたのは、戦死した次男の嫁・紀子(原節子)だったが...
 
キャスト: 笠智衆   原節子  東山千栄子   杉村春子 山村聡   三宅邦子   香川京子
 

お茶漬けの味1952115
 
©1952/2017 Shochiku Co., Ltd.
小津監督が戦時中に検閲当局から却下されたシナリオを、戦後に改めて映画化した温かいユーモア溢れるドラマ。野球、パチンコ、ラーメンなど、昭和20年代当時の風俗をふんだんに盛り込んでいるのも特徴
 






<あらすじ>
田舎出身の佐竹茂吉(佐分利信)は、社長の親友の娘で上流階級育ちの妙子(木暮実千代)と結婚した。妙子が一等車での旅行や野球観戦などで遊び回る一方、茂吉は妙子の嫌いなタバコ「朝日」を吸い、出かけるときは三等車に乗り、酔って帰ってはお茶漬けを食べていた。茂吉と妙子の溝は深まるばかり。そんなある日、妙子が同級生の住む神戸へ旅行している間に、茂吉の海外出張が決まり、妙子に連絡がつかないまま茂吉は日本を発ってしまう...

キャスト: 佐分利信  木暮実千代   鶴田浩二   笠智衆   淡島千景

 

溝口健二 18981956
東京生まれ。1920年日活に入社。1923年、『愛に甦(よみが)へる日』で監督に昇進すると、現代劇や探偵劇など新たなジャンルの創出に参画し、1924年から女性を主人公とした作品で頭角を現した。

戦後、大映京都撮影所で『雨月物語』(1953)、『山椒大夫』(1954)と次々と大作を発表。2作品はヴェネツィア国際映画祭にも出品され、前年の『西鶴一代女』を含め3年連続の入賞を果たし世界の溝口となる。

戦前戦後を通じて女性の情念を描き続け、とりわけ田中絹代とのコンビで数々の名作を生んだ。溝口のワン・シーン=ワン・カットとよばれる独特の映像表現と徹底したリアリズムによる作風は、ゴダール、スコセッシ、タルコフスキーをはじめ世界の映画監督にも多大な影響を与え続けた。
 
西鶴一代女 1952148

 
©1952 Toho Co., Ltd.
江戸時代の井原西鶴の小説「好色一代女」を原作に、男たちに翻ろうされ堕ちていく女の悲劇を描いた溝口監督の最高傑作。溝口健二は早くから同作品映画化の構想を抱いていた。田中絹代が一世一代の名演技を見せる。ベネチア国際映画祭銀獅子賞、第7回毎日映画コンクール音楽賞受賞。
 


<あらすじ>
年老いて百姓たちの笑い者になった街娼お春(田中絹代)。ふらふらと迷い込んだ寺で、五百羅漢の仏像に過去の男たちの面影を見た彼女は、若かりし頃を思い起こす。それは時代と男に翻ろうされ続けた、波乱の日々だった。 侍の娘で、京の御所に勤めていたお春は、公卿の若党(三船敏郎)にだまされて宿に連れ込まれたところを役人に摘発され、不義者として両親ともども洛外追放、若党は斬首に処された。その後、江戸松平家のお部屋様に取り立てられ、嗣子までもうけたお春であったが、側近の妬みに逢って実家へ返されお春の流転がはじまった...

キャスト:田中絹代  山根寿子  三船敏郎  宇野重吉
 
 
近松物語(1954102

 
©1954 Kadokawa Pictures
溝口監督晩年の名作。近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』をもとに川口松太郎が書いた戯曲『おさん茂兵衛』を映画化した作品。
 







<あらすじ>
四条烏丸に立派な看板をかかげる大経師内匠は、宮中の経巻表装を職とし、御所の役人と同じ格式を誇っていた。毎年の暦の刊行権も持ち収入も大きい。その地位を鼻にかける当代以春(進藤英太郎)は再婚して若い妻・おさん(香川京子)を迎えていた。ある日、手代の茂兵衛(長谷川一夫)はおさんから、兄の無心に苦心していることを相談され、店の金を一時用立てる。それが以春の知るところとなり、茂兵衛は空屋に軟禁された。それから、おさんと茂兵衛の運命は思わぬ方向へ...

キャスト:長谷川一夫  香川京子  南田洋子  進藤英太郎