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       野田 正明 氏 インタビュー

ギリシャ語版

インタビュー 現代芸術家・野田正明氏

今回、レフカダで開催された小泉八雲没後110年記念イベントに際し、 レフカダ市文化センターに彫刻「ラフカディオ・ハーンと開かれた精神のオデュッセイア」を設置された、ニューヨークを拠点に活躍されている広島県福山市出身の現代芸術家・野田正明氏にお話を伺いました。 

この度、ギリシャでは4ヵ所目、また小泉八雲をテーマにした作品では3作目となる彫刻をレフカダに設置されましたが、どのようなきっかけでギリシャと関わるようになったのですか。

1995年、フランスのアンティーブで個展を開催した際、ニースからコルフ島に入り、小泉八雲の生誕地、レフカダ島やデルフィなどを巡ったのが初めてのギリシャ旅行でした。2003年に中国広東省深圳(シンセン)市の美術館で回顧展を行った際、親交のあったタキス・エフスタシウ氏が同展での反響の大きさに注目したことから、デルフィのヨーロッパ文化センターへの作品設置の話をいただき、2005年に彫刻「アポロの鏡」を納めました。それを機に、今までギリシャのことは全く知らなかったのですが、ニューヨークを通じてギリシャの色々な方々との交流が広がり、関係を構築してきました。

古代ギリシャの彫刻や遺跡について感想をお聞かせて下さい。

古代ギリシャの彫刻を初めて見た時には圧倒されました。その後何度かのプロジェクトを重ねながら次第にその中へ入っていった感じです。ギリシャは私にとってニューヨークに次いで第三の故郷ですね。ミケランジェロなど偉大な芸術家もその原型を遡れば古代ギリシャに辿り着きますし、作品のコンテンツの普遍性をギリシャの中に見ました。制作において数千年単位を考えて作品に取り組むことは無謀とも思えますが、その精神性が無限の可能性への挑戦に繋がるし、誇りを持って長く後世に残るものを作っていかなければと考えるようになりました。

作品を制作する時、一番気をつけていることは何ですか。

同じものを作らないこと、繰り返さないないことです。見る者が作品はどう作られたのかを考えることを重視しています。人間は安定を好みますが、規制概念に捕われず新たな価値観を提示し続けることがアートだと考えています。制作に集中する一方 客観的な視点を保てるよう規則正しい生活をこころがけています、自分の作品を第三者の目で見る事が出来れば冷静な判断が可能になります。作品が設置される場所もとても重要で、テーマに沿ってメッセージが一番伝わる位置でなければなりません。ですから、必ず設置予定の場所を訪れて確認するようにしています。

日本の伝統工芸や文化から影響を受けていますか。

工芸とアートは異なるものです。伝統工芸はある約束の中で作られるものですが、アートはあらゆる拘束から解き放たれたものであるべきだと考えています、日本人であるかぎり日本文化や精神は根底にありますが改めて推考を重ねながら、自分のスタンスで日本伝統も作品やイベントに混ぜていこうと思うようになりました。その中で、いかに自分の存在感、アイデンティティーを確立していくかを大事にしています。

今後の活動についてお聞かせ下さい。

制作活動をグレードアップしていきたいです。例えば、小泉八雲縁の地である松江市と私の出身地、福山市の隣の尾道市が姉妹都市提携を結んだ(2012年)ので、その交流に関わる仕事に携わりたいですね。また、東京オリンピックに向けて、作品を媒体にコミュニケーション空間をつくるアートの街を「サンプル・シティ」として立ち上げる構想を持っています。つまり、自治体や異業種の団体を取り込んで街自体をアートの空間にする総合プロジェクトです。現代アートにとってスケールの大きいチャレンジとなりますが、人々が年齢、性別、業種等に関係なくアートを通じて交流できる場の実現、未来を共有できるアートを目指しています。

作品「ラフカディオ・ハーンの開かれた精神」と野田氏 レフカダ市文化センターを訪れる小さな訪問客と彫刻 「ラフカディオ・ハーンと開かれた精神のオデュッセイア」  (写真提供: Ms. Hara Hita)        

芸術家として制作活動のみに留まらず、芸術以外の社会・時事問題といった幅広いテーマで各地の学校や商工会議所などで講演活動を行っている野田氏。人とのコミュニケーションを大切にしつつ、アートが持つ無限の可能性を日々追求されている姿勢が印象的でした。


ギリシャにおける野田氏の作品設置歴

2005年 デルフィ・ヨーロッパ文化センター 「アポロの鏡」

2009年 アテネ、アメリカン・カレッジ 「ラフカディオ・ハーンの開かれた精神」

2010年 マラトン 「ヘルメスの精神」

2014年 レフカダ島 「ラフカディオ・ハーンと開かれた精神のオデュッセイア」
 
 
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