2017年 9月
1.内政
・10日 サラミナ島近海で重油を掲載したタンカー(AGIA ZONIⅡ)が沈没。アテネ南部の海岸にも汚染が及ぶ。
・22日 ギリシャ最高行政裁判所は、シリア人移民にとってトルコは安全な国であるとの判決を下し、トルコへの送還を望まない2名のシリア人移民の訴えを却下。
・26日 マケドニア大学が実施した世論調査によると、各党の支持率は以下の通り。
新民主主義党(ND):30.5%、急進左派連合(SYRIZA):17.5%、民主連合(PASOK+DIMAR):7.5%、黄金の夜明け:7.0%、ギリシャ共産党(KKE):6.5%、中道連合:2.0%、独立ギリシャ人(ANEL):2.0%、ポタミ:1.0%、他の政党:10.0%、未決定または未回答:16.0%。
・同日、ニコス・ミホス議員が「黄金の夜明け」から離党し、無所属になった。
2.外交
・7~8日 マクロン仏大統領がギリシャを訪問し、パヴロプロス大統領、チプラス首相及びミツォタキス新民主主義党(ND)党首等と会談を行った。更に、多くの仏企業関係者が本訪問に同行した。
・7~8日 コジアス外相がエストニアで開催された非公式EU外相理事会に出席。
・11日 チプラス首相がハンガリーでのWHO会合に出席。また、同会合マージンでオルバーン・ハンガリー首相と会談した。
・14日 ジェンティローニ伊首相がギリシャのコルフ島を訪問し、チプラス首相と会談した。
・17~24日 コニオルドゥ文化・スポーツ大臣が中国を訪問し、ルオ・スガング中国文化部部長と共に、「ギリシャ・中国文化交流年共催協力覚書」に調印した。更に、ゾウ・ユユアン中国国立劇場会長とも会談し、「ギリシャ・中国国立劇場間協力覚書」に調印した。
・18~22日 コジアス外相はNYでの第72回国連総会にて、一般討論演説を行った。更に、本会議マージンでグテーレス国連事務総長、モシアラ・リビア外相、クリムキン・ウクライナ外相、ギャラガー・バチカン外務長官、ジャーベル・ア首連国務大臣、アナスタシアディス・キプロス大統領、ナルバンジャン・アルメニア外相、オルギン・コロンビア外相、バシール・レバノン外相、ブシャティ・アルバニア外相、ディミトロフ・FYROM外相、サチ・コソボ大統領及びニミッツ・FYROM名称問題国連事務総長特別顧問と個別会談を行った他、「リビアに関するハイレベル・イベント」、「ギリシャ・ブルガリア・クロアチア・ルーマニア4か国外相会合」及び「ギリシャ・キプロス・エジプト3か国外相会合」に出席。また、中国とともに「第2回古代文明フォーラム」を主催。
・25日 ダイセルブルーム・ユーログループ議長がアテネを訪問し、チプラス首相及びツァカロトス財務相等と会談した。
・28日 アヴラモプロス欧州委員(移民・内務・市民権担当)がギリシャを訪問し、チプラス首相と会談した。
3.移民・難民問題
今月、海を渡りギリシャに到着した移民・難民数は4,886名であり、先月(3,584名)に比べ、特にトルコからの移民・難民の流入が増加傾向にある。
9月末時点で、ギリシャ全土に滞在する移民・難民数は公表されていないが、島嶼部には13,369名が滞留。
4.経済
(1) 経済動向
・1日 資本規制が緩和され、1か月で引き出し可能な現金が1,800ユーロとなった。
・2日 ギリシャ資本市場委員会と中国証券監督管理委員会は両者の提携を強化する議定書に署名を行った。
・5日 ツァカロトス財務大臣及びフリアラキス副大臣がベルギーを訪問し、モスコビシ欧州委員会経済担当と協議した。
・6日 モスコフスキ・ブルガリア運輸省大臣がギリシャを訪問し、スピルジス運輸省大臣と共に、ギリシャ・ブルガリア間における鉄道建設の迅速化を図るための提携覚書に署名した。また、本署名式には、チプラス首相とボリソフ・ブルガリア首相が参加した。
・9~17日 中国を主賓国とする「第82回テサロニキ国際見本市」(TIF)が開催され、本会開式にて、チプラス首相が各分野の実績と政策に関する演説を行った。更に、今年のTIFには約1,500のブースが出展され、入場者数は過去最高の263,724名(昨年は210,081名)だった。また、TIFにおいて、ギリシャ電力公社(PPC)とShehua Group(石炭採掘会社)がエネルギー分野での提携覚書に署名を行った他、カストリアの毛皮業組合とギリシャ‐中国商工会議所の代表が提携覚書に署名を行った。
・11日 債権団の技術レベル職員が第3次支援プログラムの第3次審査に向けた予備作業を開始するため、アテネを訪問。
・14日 ギリシャのコルフ島で行われた第一回ギリシャ・イタリア・ハイレベル協力会合の機会に、ギリシャ鉄道(TRAINOSE)の伊Ferrovie Dello Stato社への売却に関する合意が署名された。
・30日 ベティ・バジアーナ・ギリシャ首相夫人を含む乗客200名以上を乗せたアテネ・北京間初の直通便がアテネ国際空港に着陸した。
(2) 財政
ギリシャ財務省が9月25日付で公表した1月から8月の財政統計によると、1月から8月の財政収支は12億7,100万ユーロの赤字、同期間のプライマリーバランスは35億4,400万ユーロの黒字となった。同期間の歳入は314億3,300万ユーロで政府目標を17億4,800万ユーロ(5.3%減)下回り、歳出は327億300万ユーロと政府目標より17億200万ユーロ低く抑えられた。
(3) 輸出入
ギリシャ統計局の9月7日付の発表によると、7月の輸入総額は39億2,470万ユーロ(前年同月比6.3%増)、輸出総額は24億1,090万ユーロ(前年同月比6.5%増)となった。
(4) 観光業
今月の観光客数は未公表。
4.経済指標
(1) 消費者物価指数
ギリシャ統計局の9月8日付の発表によると、8月の消費者物価指数は前年同月比0.9%増となった。
(2) 失業率
ギリシャ統計局の9月7日付の発表によると、6月の失業率は21.2%となり、前月から0.3%減少した。
※ 1月の失業率は、ギリシャ概況(2017年8月)公表後、ギリシャ統計局により23.5%から21.5%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。
(3) GDP
OECDのデータによると、2017年第2四半期(4月~6月)の実質GDP成長率は前年同期比プラス0.8%となった。
※ この概況は、各種報道・公表資料を基に作成した。
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