ギリシャ経済最新情報 |
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2014年10月 1.内政 (1) 来年の大統領選挙に先立ち連立与党と最大野党SYRIZAの対立が高まる中、6日、サマラス首相は早期総選挙の憶測を払拭すべく、国会で政府信任投票の実施を要請した。本投票に先立ち、無所属のカクラマニス議員はNDに復党し、連立与党の議席数は155となった。3日間の国会審議を経て、10日、信任投票が行われ、賛成155票(与党全員)、反対131票で可決された。しかしSYRIZAは依然として早期総選挙の実施を求めており、与党に圧力をかけている。 (2) 31日、サマラス首相は、アヴラモプロス国防大臣の欧州委員就任(11月1日)にともない、後任にデンディアス開発大臣を、新開発大臣にはコスタス・スクレカスND議員を任命することを決定した。 2.外交 (1) 対キプロス関係 ( i ) サマラス首相とアナスタシアディス・キプロス大統領の電話会談 10月初旬、トルコがキプロスのEEZ内への船舶の進入を制限するガイドラインを発出したことを受け、6日、サマラス首相はアナスタシアディス大統領と電話会談を行い、今後の対応について協議した。 ( ii ) ヴェニゼロス副首相兼外相とカスリーディス・キプロス外相の会談 13日、ヴェニゼロス副首相兼外相はギリシャ訪問中のカスリーディス・キプロス外相と会談し、両国間の海上における捜索救難の二国間協力に関する合意書に署名した。カスリーディス外相はギリシャ・キプロス間の今回の合意はトルコに対する明確なメッセージであると強調した。 ( iii ) サマラス首相の欧州首脳会合出席 23日及び24日、サマラス首相は欧州理事会に出席し、入院したアナスタシアディス・キプロス大統領に代わってキプロスの立場を主張した。サマラス首相は「欧州がトルコに対し、キプロスの領海及びEEZにおける権利を尊重することを求め、同時に『EU加盟候補国は全てのEU加盟国を承認すべきである』ことを想起している今次決定は重要である」と述べた。 (2) 対中関係: サマラス首相と李克強中国務院総理の会談 16日、ASEM首脳会合出席のためミラノを訪問したサマラス首相は、李克強中国務院総理と会談し、両国の良好な経済関係とその今後の発展について確認した。李総理は、コスコのピレウス港への投資及び今後の拡大見通しに満足感を示すとともに、中国がアテネ国際空港、鉄道及びカステリ空港(クレタ島)を含むギリシャの民営化計画に関心を持っていると述べた。 (3) ヴェニゼロス副首相兼外相の三か国(ギリシャ・キプロス・エジプト)外相会合出席 29日、ヴェニゼロス副首相兼外相は、キプロス・ニコシアで開催されたギリシャ・キプロス・エジプト三か国外相会合に出席した。三外相はトルコのキプロスEEZ内での違法行為に遺憾の意を表明するとともに、キプロスの主権尊重及び国連憲章や国連海洋法条約を含む国際法遵守の重要性を強調した。 同日、ヴェニゼロス外相はアナスタシアディス・キプロス大統領及びカスリーディス外相と会談し、南東エーゲ海における軍事協力を強化することを公表した。 3.経済 (1) トロイカとの協議 9月30日~10月7日、アテネにてギリシャ政府とトロイカの協議が行われた。今回は主に2015年予算案、公的機関の再編、年金改革、企業及び個人の債務返済計画等についての協議がなされた。協議は7日に中断されたが11月中に再開される見通し。 (2) 国債市場の動き ギリシャにおける早期総選挙の見通しやトロイカからの財政再建プログラムの早期脱却の可能性が生じる中、市場ではギリシャ経済に対する懸念が広がり、9月には5%台まで下がっていたギリシャ10年国債の利回りは16日には9%近くに達し、10月末以降は8%前後で推移している状況である。 (3) ECBストレステスト結果 26日、ECBは銀行ストレステスト(包括審査)の結果を発表し、対象となった国内銀行4行のうちアルファ銀行は合格、それ以外のピレウス銀行、ナショナル銀行及びユーロ銀行は不合格となった。しかし、ピレウス銀行は本年既に資本増強を行っており、現在は基準をクリアしている。またナショナル銀行及びユーロ銀行についても既に再建策を進めており、ギリシャ中央銀行は2行の必要資本額についてユーロ銀行は2億7,300万ユーロ、ナショナル銀行は1,750万ユーロと今回のストレステストの結果よりも大幅に低く見積もっている。 (4) 財政 ギリシャ財務省が公表した2014年1~9月の財政統計によれば、財政収支は22億8,500万ユーロの赤字となり、政府目標(36億6,100万ユーロの赤字)より改善された。また、同期間のプライマリーバランスの黒字は25億3,200万ユーロとなり、政府目標の15億5,100万ユーロを上回った。歳入は372億7,700万ユーロで目標を4億300万ユーロ下回り、また歳出は395億6,200万ユーロで目標より17億7,900万ユーロ抑えられた。 (5) 輸出入 ギリシャ統計局の発表によれば、2014年8月の輸入総額は32億8,560万ユーロ(前年同月は39億2,630万ユーロ)と前年同月比16.3%減となった。一方、輸出総額は20億5,560万ユーロ(前年同月は21億8,090万ユーロ)と前年同月比5.7%減となった。2014年8月の貿易収支赤字は12億3,000万ユーロと前年同月比29.5%減となった。 (6) 観光業 ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、2014年9月の国内主要空港の観光客到着数(暫定値)は、211万7,401人となり、前年同月比9.0%増となった。個別には、アテネ空港が37万8,756人(同23.3%増)、テッサロニキ空港が17万4,411人(同11.9%増)、イラクリオン空港(クレタ島)が42万3,374人(同3.5%減)、ロドス空港が31万1,479人(同0.3%減)、コルフ空港が17万6,167人(同15.8%増)となった。 4.経済指標 (1) 消費者物価指数 ギリシャ統計局によれば、2014年9月の消費者物価指数は前年同月比0.8%の下落となった。
(2) 失業率 ギリシャ統計局によれば、2014年7月の失業率は26.4%となり、前月から0.3ポイント減少した。 1
※各種報道・公表資料を基に作成。 (1) 2014年6月の失業率は、ギリシャ概況(2014年9月)公表後、ギリシャ統計局により27.0%から26.7%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。
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