ギリシャ経済最新情報 |
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2014年9月 1.内政 (1) 来年の大統領選挙を前に、政府は最大野党SYRIZAの勢力に対抗すべく、支持率回復に奮闘している。このような中、サマラス首相は6日、第79回テサロニキ国際見本市(TIF)で行った経済演説で、灯油税の30%引き下げの他、所得に課されている連帯税、新統一不動産税、個人所得税及び法人税等複数の減税措置を発表した。政府はトロイカにこれらの減税措置を認めてもらうべく協議を続けている。 (2) 公的機関の再編においても政府は難局を迎えており、行革省が各省及び各自治体に要請した公務員の評価作業に対し複数の市長が反対し、作業を拒否する事態となっている。このような中、25日、ミツォタキス行革大臣は評価作業を拒否している市長5人を最高刑事裁判所に起訴し、現在捜査が行われている。 (3) 10日、欧州委員会より次期欧州委員会委員のポートフォリオが発表され、アヴラモプロス国防大臣が移民及び内務担当委員、またスヒナス元ND議員は次期欧州委員長の首席報道官に指名された。サマラス首相はアヴラモプロス氏の指名について「ギリシャにとってこの上ない名誉であり、ユンカー次期欧州委員長のギリシャに対する信頼を表すものだ。」と歓迎した。 2.外交 (1) サマラス首相とエルドアン・トルコ大統領の会談 5日、サマラス首相はウェールズで開催されたNATOサミットのマージンで、エルドアン・トルコ大統領と会談した。今回の協議はエルドアン大統領が9月初めに「北キプロス」を訪問した際、キプロス問題について挑発的な発言をした後に実施されもので、サマラス首相は会談中、エルドアン大統領の発言はキプロス問題の和平交渉を台無しにするものだと述べた。 (2) サマラス首相のアゼルバイジャン訪問 19日、サマラス首相はアゼルバイジャンを訪問し、アリエフ大統領とトランス・アドリア海パイプライン(TAP)会談した。両首脳は主にトランス・アドリア海パイプライン(TAP)について協議した。またサマラス首相は、ウクライナ問題の影響でロシアからの天然ガス供給が制限される事態になった場合、アゼルバイジャンに供給量増加を要請したいと述べた。 (3) サマラス首相の訪独 23日、サマラス首相はドイツを訪問し、メルケル首相とギリシャの財政再建状況等について協議した。サマラス首相は、財政支援プログラムの早期脱却について言及するなど、ギリシャが資金調達で自立する準備ができていることを強調した。 (4) ヴェニゼロス副首相兼外相の国連総会出席 25日~27日、ヴェニゼロス副首相兼外相は国連総会に出席し、マージンでチャブシオール・トルコ外相とキプロス問題等について協議した他、ポポスキーFYROM外相他とマケドニア国名問題について会談し、キプロス、エジプトの大統領及び外相との三者会談を行った。外相会談においては、三国間協力に関する共同声明が発出された。 3.経済 (1) トロイカとの協議 2日から4日にパリでトロイカ側とギリシャ閣僚の協議が行われた。今回は2015年予算、公的機関の再編、年金改革及び労働市場改革に焦点が当てられたが、いずれの案件もアテネでの協議に持ち越された。またギリシャ側はトロイカに対し灯油税等の減税措置を求めたが、トロイカからの同意は得られなかった。30日、アテネでギリシャ政府とトロイカの協議が再開され、2015年予算案をめぐる協議においてギリシャ側は同年のプライマリー黒字を当初目標の対GDP比3%から2.5%に引き下げることを求めたものの、トロイカがこれに反対したため、結局3%に据え置くこととなった。協議終了は10月末以降となる見通し。 (2) ギリシャにおけるレアアース開発に向けた動き 9日、マニアティス環境大臣はレアアース開発について中国の政府関係者及び企業関係者と協議した。今回の協議は、技術及び科学レベルで二国間協力を図るためとされ、将来的には調査及び採掘が実施される可能性がある。 (3) ギリシャ国債の格上げ 12日、米格付け会社S&P、ギリシャの財政再建をめぐるリスク低下を理由に同国国債の格付けを「B-」から「B」に格上げし、見通しを「安定的」とした。 (4) 財政 ギリシャ財務省が公表した2014年1~8月の財政統計によれば、財政収支は28億4,500万ユーロの赤字となり、政府目標(41億1,700万ユーロの赤字)より改善された。また、同期間のプライマリーバランスの黒字は19億5,100万ユーロとなり、政府目標の9億6,200万ユーロを大きく上回った。歳入は329億2,400万ユーロで目標を3億2,500万ユーロ下回り、また歳出は357億6,900万ユーロで目標より15億9,700万ユーロ抑えることができた。 (5) 輸出入 ギリシャ統計局の発表によれば、2014年7月の輸入総額は43億5,230万ユーロ(前年同月は39億4,900万ユーロ)と前年同月比10.2%増となった。一方、輸出総額は24億5,810万ユーロ(前年同月は24億8,470万ユーロ)と前年同月比1.3%減となった。2014年7月の貿易収支赤字は18億9,420万ユーロと前年同月比29.4%増となった。 (6) 観光業 ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、2014年8月の国内主要空港の観光客到着数(暫定値)は、284万4,299人となり、前年同月比13.6%増となった。個別には、アテネ空港が45万7,000人(同20.6%増)、テッサロニキ空港が22万6,115人(同16.9%増)、イラクリオン空港(クレタ島)が56万1,787人(同5.4%増)、ロドス空港が41万894人(同5.7%増)、コルフ空港が24万5,575人(同15.2%増)となった。 4.経済指標 (1) 消費者物価指数 ギリシャ統計局によれば、2014年8月の消費者物価指数は前年同月比0.3%の下落となった。
(2) 失業率 ギリシャ統計局によれば、2014年6月の失業率は27.0%となり、前月から0.1ポイント減少した。 1
※各種報道・公表資料を基に作成。 (1) 2014年5月の失業率は、ギリシャ概況(2014年8月)公表後、ギリシャ統計局により27.2%から27.1%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。
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