ギリシャ経済最新情報 |
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2014年7月 1.内政 ギリシャでは先月に続き、融資条件としてトロイカから要求されている先行措置の実施に取り組んでいる。その一環としてギリシャ国会は、9日、電力公社(PPC)の一部民営化に関する法案を可決した。これに先立ち、PPC労働者は抗議のためアテネ及びテサロニキ以外の一部のエリアにおいて計画的に電力供給を停止したものの、5日、ギリシャ政府が動員令を発出したことで抗議活動を中止した。 また、今次法案に反対していた野党7党は、国民投票を求め、国会採決直後、国民投票の議論開始の提案書を個別に提出した。国民投票実施に向けた議論の開始には議員120人の署名が必要とされ、個別に出されたものを一つのものと見なすか否かが争点となった。11日、本件について協議するため臨時国会が開催されたが、個別に出された提案書を一つのものとみなすことはできないと判断され、国民投票に向けた議論開始の要求は却下された。 このような中、9日、トロイカ代表団がギリシャを訪問し、10日~16日、ギリシャ政府とトロイカ代表団の協議が行われた。今回は民営化の実施状況及び年金基金の更なる統廃合等について協議が行われ、トロイカは帰国の際、ギリシャ政府に対し同政府が実施すべき措置をまとめたリストを渡した。 ギリシャ政府は残りの融資条件を達成すべく、29日、脱税防止措置や警察及び軍人の年金基金の統合等を含む財政再建統合法案を、31日には政党助成金及び政治献金に関する法案を国会に提出した。 2.外交 (1) 習近平中国国家主席の訪希 13日、習近平中国国家主席はBRICS首脳会合出席のためブラジルへ向かう途中にロドス島を訪問し、サマラス首相及びパプーリアス大統領と個別に会談した。会談中、サマラス首相は中国海軍に対する支援(燃料補給,メンテナンス及び修理サービス等)の面でギリシャは有利な地理的位置にあると強調した他,軍艦での合同パトロール及び海賊行為への対処などで両国は協力の余地があると述べた。 (2) アナスタシアディス・キプロス大統領の訪希 28日~29日、アナスタシアディス・キプロス大統領はギリシャを訪問し、キプロス問題についてサマラス首相及びヴェニゼロス副首相兼外相等と個別に会談した。サマラス首相は、問題解決にあたりトルコが前向きな姿勢を見せるべきだと主張し、今後もキプロスの取り組みを引き続き支援すると述べた。 (3) ニーミッツ国連特使の訪希 30日、ニーミッツ国連特使はマケドニア国名問題について協議するためギリシャを訪問し、ヴェニゼロス副首相兼外相と会談した。ニーミッツ特使はギリシャの前にFYROMを訪問(29日)しているが、今回の両国での協議で進展はなかった。 3.経済 (1) 国債発行 10日、ギリシャ政府は3年物国債を発行した。表面利率は3.5%。調達額は予想(20億~30億ユーロ)を下回る15億ユーロにとどまった。これは同時期にポルトガル大手銀行バンコ・エスピリト・サントの健全性に対する懸念が広まったことで、ユーロ圏債券市場の状況が悪化し、ギリシャ国債に対する需要が予想を下回ったためとされる。 (2) 財政 ギリシャ財務省が公表した2014年1~6月の財政統計によれば、財政収支は24億1,900万ユーロの赤字となり、政府目標(38億5,600万ユーロの赤字)より改善された。また、同期間のプライマリーバランスの黒字は7億700万ユーロとなり、政府目標の6億3,500万ユーロを上回った。歳入は236億1,500万ユーロで目標を2億4,100万ユーロ上回り、また歳出は260億3,400万ユーロで目標より11億9,500万ユーロ抑えることができた。 (3) 輸出入 ギリシャ統計局の発表によれば、2014年5月の輸入総額は39億7,490万ユーロ(前年同月は38億6,820万ユーロ)と前年同月比2.8%増となった。一方、輸出総額は22億5,010万ユーロ(前年同月は24億5,300万ユーロ)と前年同月比8.3%減となった。2014年5月の貿易収支赤字は17億2,480万ユーロと前年同月比21.9%増となった。 (4) 観光業 ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、2014年6月の国内主要空港の観光客到着数(暫定値)は、227万4,888人となり、前年同月比12.4%増となった。個別には、アテネ空港が40万2,000人(同28.0%増)、テッサロニキ空港が19万8,521人(同11.2%増)、イラクリオン空港(クレタ島)が44万4,380人(同4.5%増)、ロドス空港が35万692人(同8.4%増)、コルフ空港が19万1,439人(同13.1%増)となった。 4.経済指標 (1) 消費者物価指数 ギリシャ統計局によれば、2014年6月の消費者物価指数は前年同月比1.1%の下落となった。
(2) 失業率 ギリシャ統計局によれば、2014年4月の失業率は27.3%となり、先月から変動はなかった。 1
(1) 2014年3月の失業率は、ギリシャ概況(2014年6月)公表後、ギリシャ統計局により26.8%から27.3%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。 ※各種報道・公表資料を基に作成。
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