在ギリシャ日本国大使館　ギリシャ情報

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　　　　　　ギリシャ経済最新情報

2014年4月

1．概況

（1） 5月の地方選挙（18日及び25日）及び欧州議会選挙（25日）に向け、各党の動きが活発化する中、支持率を伸ばしていたSYRIZAが欧州議会選挙の候補者選出に苦戦している。16日、SIRYZAは、イスラム教徒が多く居住するトラキア地方の候補者に、ムスリム代表としてシュレイマン候補を擁立するも、同候補はロマ民族のための活動を中心に行っており、ムスリム代表となり得ないことが後になって発覚したため、候補擁立を断念した。また、23日に代わりに擁立したクルト候補者もトルコの極右政党議員と密な関係にあることが判明し、再び擁立を断念した。SIYRIZAはかかる不手際によって支持率が低下しかねない状況となっている。

一方、政府は選挙前に支持率が低下することを恐れ、目立った動きを避けていると見られ、「黄金の夜明け」議員の議員特権剥奪の問題に関しても、23日、メイマラキス国会議長は本件審議を欧州議会選挙後に行うと述べた。

（2）外交では、11日、メルケル独首相がギリシャを訪問し、ユーロ圏はギリシャの債務削減について本年中に協議するとの見方を示した。またヴェニゼロス副首相兼外相は、第二次世界大戦に関する独による戦後補償問題を提起したが、本件は今後外相レベルで協議されることとなった。

（3）経済面では、10日、ギリシャ政府は5年物国債を発行し、4年ぶりの債権市場復帰を果たした。ギリシャは当初予定の25億ユーロを上回る30億ユーロを調達し、年間表面利率は5％を下回る4.75％となった。

（4）市場における信頼回復が見え始める中、23日、欧州統計局（ユーロスタット）はギリシャの2013年のプライマリーバランスが15億ユーロの黒字となったことを発表した。2012年11月、ユーログループはギリシャのプライマリーバランスの黒字化達成を条件に、債務削減等の追加支援を検討することに合意しており、今後ギリシャ政府は債務削減に向けた議論の開始を要請する予定である。

2．財政

ギリシャ財務省が公表した2014年１～3月の財政統計によれば、財政収支は4億2,300万ユーロの黒字となり、政府目標（10億8,900万ユーロの赤字）より大きく改善された。また、同期間のプライマリーバランスの黒字は15億6,600万ユーロとなり、政府目標の8億7,800万ユーロを上回った。個別には、歳入が127億2,300万ユーロ（政府目標は125億8,400万ユーロ）、歳出が131億4,600万ユーロ（政府目標は136億7,300万ユーロ）となった。

出典：ギリシャ財務省

3．輸出入

2014年2月の輸入総額は40億4,160万ユーロ(前年同月は39億6,970万ユーロ)と前年同月比1.8％増となった。一方、輸出総額は20億5,240万ユーロ（前年同月は22億280万ユーロ）と前年同月比6.8％減となった。2014年2月の貿易収支赤字は19億8,920万ユーロと前年同月比12.6％増となった。

出典：ギリシャ統計局

4．主な産業分野

（1）観光業

ギリシャ観光業協会（SETE）によれば、2014年3月の国内主要空港の観光客到着数（暫定値）は、24万9,736人となり、前年同月比23.2％増となった。個別には、アテネ空港が16万7,500人（同36.6％増）、テッサロニキ空港が7万2,169人（同2.8％増）となった。

（2）その他の産業

① 2014年1月の新車登録台数（乗用車）は7,295台（前年同月比16.6％増）、2月は5,169台（同13.4％増）となった。

② 2014年1月の建設許可発行数は917件と前年同月比35.3％減となった。

出典：ギリシャ観光業協会、ギリシャ統計局

5．経済指標

(1) 消費者物価指数
2014年3月の消費者物価指数は前年同月比1.3％の下落となった。