在ギリシャ日本国大使館　ギリシャ情報

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　　　　　　ギリシャ経済最新情報

2013年11月

1．概況

トロイカとギリシャ政府は引き続き財政状況や構造改革について協議を行ったが、財政ギャップの金額、公的企業の整理等の問題について結局合意に至らず、協議は再び中断された。これを受け、ギリシャ政府はトロイカによる承認を得ることなく2014年度の予算を国会に提出している。

国会では、最大野党SYRIZAが政府に対する問責決議案を提出。これは否決されたものの連立与党PASOKから党の方針に反して議員1名が決議案に賛成票を投じ、直後に党を除名されている。これにより国会における連立与党の議席数は全300議席中、154議席となり、今後議会採決がスムーズに行われるか否かが懸念される。

外交においては、サマラス首相、ヴェニゼロス外相が積極的に外遊を行っており、特にサマラス首相がドイツを訪問し、メルケル首相からギリシャの取り組みを支持する旨の発言を引き出したことが国内では評価されている。また、ヴェニゼロス外相は、来年前半ギリシャがEU議長国を務める期間中に、EUの政策決定等においてイニシアティブを取り、ギリシャが他の加盟国と同等の立場にあることを示したいとの意欲を示している。　

2．財政

ギリシャ財務省が公表した2013年1月～10月の財政統計によれば、同期間の財政赤字は、29億5,800万ユーロとなり、政府目標の87億2,600万ユーロを大幅に下回った。また、同期間のプライマリーバランスは25億9,000万ユーロの黒字となった（政府目標は30億3,600万ユーロの赤字）。歳入は、所得税、法人税及び不動産税を含む直接税の税収が目標を上回り、429億5,000万ユーロ（政府目標は406億4,000万ユーロ）となった。また歳出は459億800万ユーロ（政府目標は493億6,600万ユーロ）となった。

出典：ギリシャ財務省

3．輸出入

2013年9月の輸入総額は40億2,500万ユーロ(前年同月は37億2,900万ユーロ)と前年同月比7.9％増となった。一方、輸出総額は23億9,150万ユーロ（前年同月は24億4,640万ユーロ）と前年同月比2.2％減となった。2013年9月の貿易収支赤字は16億3,350万ユーロと前年同月比27.4％増となった。

出典：　ギリシャ統計局

4．主な産業分野

（1）観光業
ギリシャ観光業協会（SETE）によれば、2013年10月の国内主要空港の観光客到着数（暫定値）は、84万7,247人となり、前年同月比21.52％増となった。個別には、アテネ空港が23万500人（同13.24％増）、テッサロニキ空港が9万8,983人（同9.76％増）、イラクリオン空港（クレタ島）が17万3,432人（同24,17％増）、ロードス空港が12万614人（同24.67％増）となった。

（2）その他の産業
2013年8月の建設許可発行数は1,083件と前年同月比10.5％減となった。

出典：　ギリシャ観光業協会、ギリシャ統計局

5．経済指標

(1) 消費者物価指数
2013年10月の消費者物価指数は前年同月比2.0％の下落となった。