在ギリシャ日本国大使館　ギリシャ情報

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　　　　　　ギリシャ経済最新情報

2012年11月

1．概況
7日そして11日、懸案となっていた財政改革関連統合法案、2013年度予算の採択がギリシャ国会にてそれぞれ行われた。財政改革関連統合法案の採決では、賛成153票、反対128票、白票18票（棄権1）となり、NDから1名、PASOKから6名が反対に回った。また、民主左派は16名中14名が白票、2名が反対票を投じた。ＮＤとPASOKは反対票を投じた議員を党議員団から除名した。

上記のとおりギリシャ側の措置は国会を通過したものの、ギリシャの債務持続可能性確保に対するＩＭＦとユーロ圏諸国の考え方の違いから12日、20日のユーログループ財務大臣会合における議論はまとまらず対ギリシャ融資の再開は見送られた。3週連続の開催となった26日のユーログループ財務大臣会合においてようやくギリシャ国債の買戻しやユーロ圏各国からの二国間融資の利率引き下げ等を含む債務削減策に合意し、停止されている対ギリシャ融資についても再開されることとなった。しかし、IMFの融資再開にはギリシャ国債買戻しによる債務削減をまず実行する必要があり、買戻し資金の出所といった詳細が決定されていないことに加え、どの程度の国債保有者が買戻しに応じるかといった不確実な部分も残されている。

2．財政
ギリシャ財務省が公表した2012年1月～10月の財政統計によれば、同期間の財政赤字は、122億5,900万ユーロとなり、政府目標の財政赤字額134億2,500万ユーロ以下に収まった。また、同期間のプライマリーバランスの赤字についても11億4,000万ユーロとなり、同目標である22億9,400万ユーロ以下に収まった。歳入面では、預金税の税収増加や税監査の強化により間接税の税収が増加したことなどにより歳入は417億7,700ユーロとなり、政府目標を2億7,200万ユーロ上回った。一方､歳出は540億3600万ユーロと政府目標の549億3,000万ユーロより8億9,400万ユーロ低く抑えられた。

出典：　ギリシャ財務省

3．輸出入
2012年9月の輸入総額（石油製品を除く）は24億4,530万ユーロ(前年同月は28億7,150万ユーロ)と前年同月比14.8％減となった。一方、輸出総額（石油製品を除く）は13億2,060万ユーロ（前年同月は14億1,960万ユーロ）と前年同月比7.0％減となった。2012年9月の貿易収支赤字（石油製品を除く）は11億2,470万ユーロと前年同月と比べ22.5％減となった。

出典：　ギリシャ統計局

4．主な産業分野
(1)　観光業
ギリシャ観光業協会（SETE）によれば、本年1月から10月の国内主要空港の観光客到着数（暫定値）は、1,095万7,013人となり、前年同期比3.38％減となった。10月単独では67万1,601人となり、前年同月比13.91％減となった。10月はほとんどの空港で到着数が前年同月比で大きく減少しており、個別には、コス空港が3万8,517人（前年同月比28.33％減）、ロードス空港が9万6,930人（同23.51％減）、イラクリオン空港12万2,662人（同21.05％減）、アテネ空港が20万159人（前年同月比12.63％減）となった。

(2)　その他の産業
　　①本年9月の新車登録台数（乗用車）は3,804台（前年同月比49.0％減）となった。
　　②本年8月の建設許可発行数は1,210件と前年同月比48.2％減となった。

出典：　ギリシャ統計局、ギリシャ中央銀行

5．経済指標
(1)　消費者物価指数
2012年10月の消費者物価指数は前年同月比1.6％の上昇となった。