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      ギリシャ経済最新情報

2012年6月

1.概況
17日、前回5月の総選挙後の連立協議の失敗を受けた総選挙が実施された。世論調査ではNDとSYRIZAが選挙戦終盤まで第1党を争っており、市場では選挙結果によっては近い将来ギリシャがユーロ圏を離脱することになるのではないかという不安が高まっていた。各種報道によれば選挙前数日間は、国内銀行からの預金流出が一日あたり数億ユーロに及んでいるとの報道もなされ、選挙結果に対する不安や内外の注目が高まっていた。結果は、いわゆる緊縮財政派とされるNDが約30%の票を獲得。第1党に与えられる50議席を合わせて129議席を確保し、5月の総選挙での議席数108議席からの上積みに成功した。同じく緊縮財政派とされるPASOKは、41議席から33議席と議席を減らす結果となったが、両党で議会過半数を確保することに成功した。一方、緊縮策への反対及びメモランダムの破棄を主張したSYRIZAは第1党の座は逃したものの、5月の総選挙からさらに議席数を伸ばし、71議席を確保した。

サマラスND党首は、18日パプーリアス大統領から組閣に係る調査命令を受けると他党との連立協議を開始、PASOK及び民主左派から支持をとりつけ、20日には同党首が首相としての宣誓式を、21日には財務大臣を除く他の閣僚の宣誓式が行われた。今後、国会においてサマラス連立内閣の信任投票が行われることになる。トロイカによるギリシャ財政状況のレビューは7月頭から実施される予定であるが、連立与党が合意したメモランダムに関係する政策合意事項(例えば、公的部門の解雇にかかる事項の撤回、失業手当の給付期間延長など)に関するトロイカ側との再交渉及びその結果を受けた国内での議論など今後も予断を許さない事態が続くことになる。


2.財政

ギリシャ財務省が25日に公表した2012年1月~5月の財政統計によれば、同期間の財政赤字は、108億7,400万ユーロとなり、政府目標の財政赤字額128億9,600万ユーロ以下に収まった。また、同期間のプライマリー赤字についても23億4,900万ユーロとなり、同目標である42億3,400万ユーロ以下に収まった。個別には、歳入が196億6,600万ユーロにとどまり、政府目標を9億2,600万ユーロ下回った。これについて財務省は、政府が法人に対する所得税の申告期限を延長(6月8日まで)したことで税収が低下し、政府目標を3億500万ユーロ下回ったことが原因とし、6月にその分の税収が見込めるとしている。また、同期間の歳出は、305億4,100万ユーロと政府目標の334億8,800万ユーロより29億4,700万ユーロ低く抑えられた。
なお、欧州金融安定化基金(EFSF)は28日、延期されていた10億ユーロの融資を実施した。

出典:ギリシャ財務省、欧州金融安定化基金(EFSF)


3.輸出入

2012年4月の輸入総額(石油製品を除く)は23億1,690万ユーロ(前年同月は25億3,190万ユーロ)と前年同月比8.5%減となった。一方、輸出総額(石油製品を除く)は12億6,770万ユーロ(前年同月は13億960万ユーロ)と前年同月比3.2%減となった。2012年4月の貿易収支(石油製品を除く)は10億4,920万ユーロの赤字となった(前年同月比14.2%減)。

出典:ギリシャ統計局

4.主な産業分野
(1) 観光業
ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、本年1月から5月の国内主要空港の観光客到着数は、226万7,114人となり、前年同期比5.12%減となった。個別には、ザキントス島の観光客到着数が4万4,239人(同17.87%減)で落ち込み幅が一番大きく、アテネ空港は80万4,162人(同13.31%減)、サモス空港は1万4,087人(同10.75%減)、ミコノス空港は6,718人(同9.93%減)、ロードス空港26万6,009人(同7.97%減)となった。一方、到着数が増加している空港としては、ハニア空港(クレタ島)が12万6,298人(同15.15%増)、テッサロニキ空港が39万5,014人(同6.96%増)、コルフ空港が11万735人(同5.05%増)となっている。また、ギリシャ統計局が12日に公表したデータによれば、2012年第1四半期の観光業による収益は前年同期比24%減となっている。

(2)その他の産業
本年3月の建設許可発行数は2,483件と前年比9.6%減となった。

出典:ギリシャ観光業協会、ギリシャ統計局


5.その他関連情報
(1)エンポリキ銀行による海外子会社株式の譲渡
エンポリキ銀行は13日、同行のルーマニア、ブルガリア及びアルバニアの株式を親会社の仏クレディ・アグリコルへ譲渡することを決定した。エンポリキ銀行は声明の中で、今回の株式譲渡は内部での譲渡であり、クレディ・アグリコルの海外事業の成長モデルにそってクレディ・アグリコル及びバルカン諸国のエンポリキ銀行子会社の関係強化を図るため2009年より実施されたプロセスの最終段階であるとしている。

(2)仏カルフールによる合弁事業カルフール・マリノプロスの保有株式の売却
カルフールは、ギリシャ及びキプロス等で展開する合弁事業カルフール・マリノプロスの保有株式を合弁パートナーであるマリノプロスに売却することを決定した。マリノプロス・グループの発表(15日)によれば、売却によってマリノプロス・グループは、ギリシャ、キプロス及びバルカン諸国におけるカルフールの独占フランチャイズとなる。

6.経済指標
(1) 消費者物価指数
    2012年5月の消費者物価指数は前年同月比1.4%の上昇となった。

   

(2)失業率
2012年3月の失業率は21.9%となり前月から0.5%上昇した *1




*1  2012年2月の失業率は、ギリシャ概況(2012年5月)公表後、ギリシャ統計局により21.7%から21.4%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。


出典: ギリシャ統計局

※各種報道・公表資料を基に作成。
 
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