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      ギリシャ経済最新情報

2011年9月

1.概況
財政危機発生以来の緊縮措置の影響もあり景気後退が予想以上に深刻化している。ギリシャ統計局は、 2011 年第 2四半期のGDP成長率を当初予測の6.9%減から7.3%減へ下方修正した。また、6 月には観光シーズンの到来による臨時雇用により若干の改善が見られたものの、2011年第2四半期の失業率は16.3% (前年同期は11.8%)と雇用情勢も悪化している。特に若年層(15歳から29歳)の失業率は32.9%(前年同期は 22.8%)と落ち込みが著しい。

7月21日のユーロ圏首脳会合にてユーロ圏及びIMFによるギリシャへの追加融資(1, 090億ユーロ規模)及び民間債権者による自発的な債務借り換えが合意されるとギリシャの債務問題も一時的に落ち着いたかのように見えたが、追加融資をめぐるフィンランドによるギリシャへの担保要求やギリシャの財政赤字目標未達の状況が明らかになるにつれ、第二次支援実施を疑う声や民間債権者参加スキームの再検討がささやかれる事態となっている。

第6次融資に先立ちギリシャを訪問したトロイカ (欧州委、ECB及びIMF)調査団は、財政再建の遅延理由をめぐるギリシャ政府との対立により協議を一時中断し、ギリシャ政府に対し構造改革の加速と財政赤字目標達成に向けた追加的措置を要求した。デフォルト回避に向けて第6次融資を確保する必要のあるギリシャ政府は、財政赤字削減を進めるべく新不動産税の創設や年金削減、公務員のリストラを含む追加的措置を相次いで発表。新不動産税については 9月27日に国会おいて採決された(新不動産税の概要については後段を参照。)。




2 .財政
(1)財政状況

景気の低迷もあり2011年1月から9月の歳入が約370億ユーロ(財務省発表速報値)と前年同期間に比べ4.7%落ち込む一方、国債利払い費の増加もあり同期間の歳出が525億ユーロと前年同期間に比べ7%の増加となっており、引き続き厳しい財政運営が続いている。当初、年度内に50億ユーロを見込んでいた民営化計画による歳入も予定にはとどかないものとみられており、こうした状況がトロイカから追加措置を要求される事態につながったものと考えられる。

(2)国債信用状況
7月25日、米格付け会社ムーディーズは、ギリシャ国債の格付けを「Caa」から「Ca」へ3段階格下げし、ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥る可能性を「事実上100 %」とした。同格下げは、7月21日のユーロ圏首脳会合後に行われたものであるり、ムーディーズは、民間債権者による自発的な借り換えスキームが債権者である金融機関に大きな影響を及ぼすとの見解を示した。 9月14日には、10年物ギリシャ国債の利回りの終値としては史上最高の25%超を記録した。

3.消費者物価指数
インフレ率は、 2010年の平均が4.7%だったのに対し、2011年4月は3.9 %、7月は2.4%と減速傾向が見られた。これは、例年と比較して夏期セール時の値下げ幅が大きかったことが主な要因と見られている。今後のインフレ率については、2011年9月はやや上昇し2.7%、12月は2.5 %と予測される。2011年平均は3.3 %の見通し。

 

4.輸出入
輸出(商品及びサービス)は、2010年は3.8%増とポジティブな動きが見られたが、海運業収益の落ち込みなどにより、 2011 年第1四半期は2 %減となった。一方、輸入については、 2010年は4.8%減となり、予測より縮小幅は小規模となったものの、2011年第1四半期は15.5%減と大幅に縮小した。


5.主な産業分野
(1) 海運業
2010年は海運業に回復が見られ、同年第1四半期の商業用船舶到着数は前年比14.7%増となったが、2011年1月から6月は前年比11%減となった。また、2011年第1四半期の海運業による収益は、前年比13.8%(2010年第1四半期は9.2%増)となり、2011年のGDP成長率に影響を及ぼすものと見られる。

(2) 観光業
2011年上半期の国内主要空港への観光客到着数は、前年比10%増となった。特に6月の観光客到着数は15.5% 増、 7月は11.1% 増となった。 2011年通年では10%増(2010年通年は0.6%増)と見込まれている。一方、6月の外国人観光客による観光収益は21.7%増まで上り、2011年1月から6月は12.2%増となった。約3週間に及ぶタクシー運転手によるストライキはあったものの、 2011年の観光業による収益は10%増(2010は7.6%減)と予想されている。一方、経済危機により国内観光業は低迷しており、2011年上半期の国内旅行者数は326万人(前年同期は 369万人)に留まり、前年比11.6%減となった。専門家によれば、2011年の国内旅行者による観光収益は、前年比 20%減となる見通し。

(3) 金融
7月15日に発表されたストレステストの結果、ギリシャについては停滞シナリオ(経済状況が悪化した場合のシナリオ)下で、農業銀行(ギリシャ政府が株式の77.3%を保有。)及び EFGユーロ銀行の中核的自己資本比率がそれぞれ -0.8% 、4.9%と基準である5%を下回る結果となった。しかしながら、マーケットでは、今般の結果は予想より良好と受け止められ、結果公表時の影響は限定的であった。さらに7月21日のギリシャへの追加支援合意の影響もあり、ギリシャの銀行への預金回帰の動きも一部見られた。 

8月29日には、ギリシャ大手銀行のアルファ銀行とEFGユーロ銀行が合併することを発表。合併は、アルファ銀行が EFGユーロ銀行を吸収合併する形式をとり、両行によれば開発省、財務省等の承認を経て12月に合併にかかる法的手続きを完了させるとしている。両行によれば合併後の新銀行は、約2,300の支店と 1,500 億ユーロの資産を有するユーロ圏で第23位の銀行となる。また、新銀行は、合併に際して39億ユーロ規模の増資を進める(資産売却による中核的自己資本率の強化(21億ユーロ分)、株式割当増資(12億5千万ユーロ分)、転換社債発行(5億ユーロ分)予定。ギリシャ政府も同二行の合併を歓迎しており、同日、ベニゼロス財務大臣は、「カタールの参加は、ギリシャ経済及び銀行システム見通しへの国際的な信任のメッセージを送ることになる。」と述べた。


6.民営化・構造改革
(1) 民営化計画の迅速化
9月6日、ギリシャ政府は、第一次民営化計画や公的機関の構造改革等について閣議決定した。第一次民営化計画には、ガス公社(DEPA)、くじ公社(OPAP)及びギリシャ石油(ELPE)の株式売却、アテネ国際空港及び競馬公社の運営権譲渡が含まれており、同民営化による歳入目標を 9 月末までに17億ユーロとしている。

(2) 新不動産税の創設
9月11日、ベニゼロス財務大臣は、財政赤字の補填に向け新不動産税の創設を発表した。9月末に国会にて採決された法律によれば、同税は、住居の面積、居住地域土地価格及び不動産築年数に応じて課税額が計算され、電気料金に上乗せする形で徴収されることとされている(徴税を確実にするための措置とされる。)。支払いを行う者は不動産の使用者とされており、同使用者が賃借人の場合には、債務または将来の賃料から自動的に相殺されることとされている。

(3) 公的機関の構造改革
9月21日、ギリシャ政府は経済閣僚委員会にて追加緊縮を決定した。当該措置には、月額1,200ユーロ以上の年金受給者への支払額を20%削減することや、55歳以前に退職した公務員で月額1,000 ユーロ以上の年金受給者への支払額を最大40%削減すること、また課税対象最低所得額の引き下げ(現行の年間所得8,000ユーロから同 5,000ユーロへ)が含まれている。その他、本年内に公務員3万人を予備人員に指定し、同職員の給与を40%程度削減した上で1年間雇用し、その後雇用を継続するか判断するとしている。

※ 各種公表資料参照
 
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