キプロス概況 |
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2016年 4月-6月 1.キプロス問題 ・定期的に両系交渉官及び代表による交渉が行われていたが、5月23日、イスタンブールにおける世界人道サミットにアクンジュ・トルコ系代表が(国家代表として)出席したことをキプロス政府が問題視したため予定されていた代表交渉は中止。 ・5月28日、バイデン米副大統領がアナスタシアディス大統領との電話会談にて代表交渉再開を促した他、5月30日、交渉官交渉にて代表交渉開始の見通しにつき協議。 ・6月2日 教育に関する両系実務委員会主催行事に両系代表が出席。 ・6月8日 両系代表協議再開。 2.内政 ・4月16日 トルコ系キプロスコミュニティにおいて「内閣改造」が実施され、右派連立「政権」が成立。 ・5月21日 総選挙(国会議員選挙)実施。議席を減らしたもののDISYが第一党の座を維持。極右党ELAMが初めて議席を獲得。 ・6月2日 ディミトリス・シルリス議員(連帯運動党議員)が新国会議長に選出される。 3.外交 ・4月7日 ギリシャ・キプロス・イスラエル三か国会合(於:イスラエル)にクヤリス農業相が出席。地中海の環境保護に関する協定に署名。 ・4月8日 カスリーディス外相が仏を訪問。ジャン=マルク・エロー仏外務・国際開発相とキプロス問題、二国間関係等につき協議。 ・4月20日 ヌーランド米国務長官補がキプロスを訪問。アナスタシアディス大統領と米の対キプロス投資を含む二国間関係、キプロス問題等につき協議。アクンジュ・トルコ系代表とも会談。 ・4月26日 第9回キプロス・ロシア二国間協議にキプロス財務相他が出席(於:モスクワ)。 ・5月23日 アナスタシアディス大統領がイスタンブールにおける世界人道サミットに出席。(エルドアン・トルコ大統領主催夕食会にアクンジュ・トルコ系代表が出席したため、右夕食会を欠席、予定より早く帰国) ・5月25日 アナスタシアディス大統領がギリシャを訪問(カスリーディス外相同行)。パヴロプロス大統領及びチプラス首相に対し、キプロス問題交渉の現状につき説明。 ・5月30日 アナスタシアディス大統領が欧州人民党結成40周年行事に出席(於:ストラスブール)。トゥスク欧州理事会議長、ユンカー欧州委員会議長、メルケル独首相と会談。 ・6月13日 第71回国連総会議長選挙にてマヴロヤニス候補が落選。 ・6月16日 トロドス山で大規模火災発生。その際、トルコが(トルコ系キプロスを通じ)支援を申し出たが、キプロス側が提示した条件に合致しなかったため、本件支援は実現しなかった。 4.経済 (1) 経済一般 ・4月21日、ディミトリアディス運輸・通信・公共事業大臣は、リマソールで開かれた第27回キプロス海事商工会議所年次総会で、キプロス海事業はGDPの約7%を占める重要産業で、政府として今後も持続的発展のため支援していくと述べた。2015年12月末時点で1,704隻がキプロスで登録されている。 ・キプロスは3月末で、3年間のキプロス向け支援プログラムを終了した。4月22日、格付け会社のFitchはキプロスの長期格付けをB+で維持し、見通しを「ポジティブ」とした。 ・4月22日、クヤリス農業・資源・環境大臣は、国連で気候変動に関するパリ協定に署名した(締結は今後の予定)。欧州統計局によれば、2015年のキプロスの二酸化炭素排出量は前年に比べて1%増加。 ・4月24日、(社)日本旅行業協会(JATA)の派遣団が、欧州文化首都2017のうちの1つであるパフォスを訪問し、日本人観光客増等につき検討した。 ・4月25日、ディミトリアディス運輸・通信・公共事業大臣は、リマソール港の民営化(約25年の運営権譲渡)契約に署名した。コンテナ・ターミナルはEUROGATE International GmbH(独)他が、海事サービスと多目的ターミナルはDP World Limited(ドバイ)他が運営権を持つことになる。 ・5月13日、キプロスは閣議で2017-2019年の財政政策枠組みを承認した。キプロスのGDPは、2016年に2.2%増、その後は2019年まで安定的に2.5%増と予測している。 ・5月17日、キプロスとイランは、両国間運輸協力に関する第1回会合で、海事協力等の運輸分野に関する覚書(MOU)に署名した。第2回会合は2017年第1四半期に開催予定。 ・6月9日の欧州統計局の発表によれば,2015年のキプロスの非EU諸国向け輸出が約13億5,900万ユーロの黒字となった。主な輸出国はロシア(約13億4,600万ユーロ)、米国(約3億2,900万ユーロ)等で、中国は約3,100万ユーロ、日本は約1,000万ユーロ。 ・6月13日のニコシアでのセミナーで、マクロプリオティス欧州委員会キプロス代表は、EUからのキプロス向け補助金は2020年までで総計約13億5.000万ユーロであり、そのうち約9億5,000万ユーロが実体経済向けに使われる予定と述べた。 (2) 成長率 キプロス統計局の2016年6月9日付の発表によれば、2016年第1四半期のキプロス経済は、金融サービス活動および家庭活動の分野で低迷したものの、ホテル・レストラン、専門・科学・技術活動、小売・卸売業、製造、建設、輸送の分野で成長が見られ、GDP実質成長率は前年同期比+2.7%となった。 (3) 財政 キプロス統計局の2016年5月16日付の発表によれば、2016年1月~3月の歳入は16億2,680万ユーロとなった。また、歳出は14億7,960万ユーロとなり、財政収支は1億4,720万ユーロの黒字となった。 (4) 観光 キプロス統計局の2016年5月17日付の発表によれば、2016年4月の観光客数は22万5,575人(前年同月比12.0%増)となった。個別には、英国からの観光客が9万1,391人(同9.6%増)、ロシアから3万8,591人(同53.4%増)、イスラエルから1万2,185人(同46.6%増)となった一方、ギリシャからの観光客は1万6,685人(同6.4%減)となった。2016年1月から4月の観光客数は合計47万7,183人(前年同期比21.9%増)となった。 5. 経済指標 (1) GDP成長率 キプロス統計局の2016年6月9日付の発表によれば、2016年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比+2.7%となった。
出典:キプロス統計局
(2) 消費者物価指数 キプロス統計局の2016年6月2日付の発表によれば,2016年3月~5月の消費者物価指数は前年同月比で、それぞれ2.53%、2.47%、2.13%の下落となった。
(3) 失業率 EU統計局(ユーロスタット)の2016年7月1日付の発表によれば,2016年2月~ 5月の失業率は、それぞれ13.0%、12.7%、12.2%、12.0%となった。
※2015年12月~2016年1月の失業率は、キプロス概況(2016年1月‐3月)公表後、EU統計局により、それぞれ15.7%、15.3%から13.3%、13.1%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。
※ この概況は、報道等を取りまとめて作成された。
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