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夏休み期間中に海外へ渡航される皆様へ(海外で注意すべき感染症について)

  ( 以下感染症広域情報)

夏休み期間中は、多くの方が海外へ渡航される時期ですが、海外滞在中に感染症にかかることなく、安全で快適な旅行となるよう、海外で注意すべき感染症及びその予防対策について、以下のとおりお知らせいたします。

・海外で感染症にかからないようにするためには、感染症に対する正しい知識と予防方法を身につけることが重要です。

・渡航先や渡航先での行動によって異なりますが,最も感染の可能性が高いのは、食べ物や水を介した消化器系の感染症です。開発途上国など、公衆衛生の整備が不十分な地域では、生水、氷、サラダ、生鮮魚介類、生肉等の十分に加熱されていないものの飲食は避け、手洗いを励行しましょう。

・海外では、日本で発生していないような、動物や蚊・ダニなどが媒介する感染症が流行している地域も多く、注意が必要です。これらの地域では、蚊に刺されたり、ダニに咬まれないよう、長袖・長ズボンを着用し、素足でのサンダル履きを避け、虫除け剤等を使用する等の対策をとってください。また、世界保健機構(WHO)が排除又は根絶を目指している感染症のうち、麻しん(はしか)は日本での感染者が減少傾向であり,ポリオは発生が認められていませんが、諸外国ではいまだに流行しています。

・海外渡航を予定される方は、渡航先の感染症の発生状況に関する情報を事前に入手し、予防接種が受けられる感染症については、余裕をもって医療機関に相談しておくなど、適切な感染予防に心がけてください。

なお、日本国内の空港や港の検疫所では渡航者の方を対象に健康相談を行っています。帰国時に発熱や下痢、具合が悪いなど、体調に不安がある場合は、検疫所担当係官に相談してください。
また、感染症には潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が長いものもあり(数日から1週間以上)、帰国後しばらく経過してから具合が悪くなることがあります。その際は、早急に医療機関を受診し、渡航先、滞在期間、渡航先での飲食状況や活動内容、家畜や動物との接触の有無などについて必ず伝えてください。

1.蚊やダニなどが媒介する感染症
渡航先(国・地域)や渡航先での行動によって、感染する可能性のある感染症は大きく異なりますが、世界的に蚊を媒介した感染症が多く報告されています。特に熱帯・亜熱帯地域ではマラリア、デング熱、チクングニア熱などに注意が必要です。

(1) マラリア
毎年世界中で約2億5000万人の患者が発生し、80万人以上の死亡者がいると報告されています。我が国では、海外で感染して帰国される方(輸入症例)が 毎年50人以上報告されています。

○発生地域:アジア、中南米、アフリカなど熱帯・亜熱帯地域に広く分布
○感染経路:マラリア原虫を保有した蚊(ハマダラカ)に吸血された際に感染する。ハマダラカは、夜間に出没する傾向がある。都市部での感
染リスクは、アフリカやインド亜大陸を除き減少している。
○主な症状:マラリア原虫の種類により7日以上の潜伏期ののち、寒け、発熱、息苦しさ、結膜充血、嘔吐、頭痛、筋肉痛など。迅速かつ適切に対処しなければ重症化し、死亡する危険がある。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け剤や蚊帳等の使用により、蚊に刺されないよう注意する。特に、夜間の屋外での飲食や外出時に注意する。2週間以上流行地に滞在し野外作業等に従事する場合には、抗マラリア薬の予防内服を行うことが望ましいとされている。

○参考情報:
FORTH/厚生労働省検疫所「マラリア」
http://www.forth.go.jp/useful/malaria.html

国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:マラリア」
http://idsc.nih.go.jp/disease/malaria/index.html

(2) デング熱、デング出血熱 
世界中の100カ国以上で流行しており、毎年約5,000万~1億人の患者が発生していると考えられています。
我が国では、海外で感染して帰国される方(輸入症例)が毎年約100人報告されています。2011年は103人の患者が報告されており、インド、フィリピン、インドネシアでの感染事例が増加しているので注意が必要です。2012年6月現在、すでに58例以上が輸入症例として報告されています。

○発生地域:アジア、中南米、アフリカなど、熱帯・亜熱帯地域に広く分布。
○感染経路:ウイルスを保有した蚊に吸血された際に感染する。媒介蚊は日中、都市部の建物内外に生息するヤブカ類である。
○主な症状:突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹。デング熱患者の一部は重症化して、出血傾向を伴うデング出血熱を発症することがある。
○感染予防:長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け剤や蚊帳の使用等により、屋内及び屋外において蚊に刺されないように注意する。室内の蚊の駆除を心がける。

○参考情報:
FORTH/厚生労働省検疫所「デング熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html

国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:デング熱」
http://idsc.nih.go.jp/disease/dengue/index.html

国立感染症研究所「デングウイルス感染症情報」
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/dengue.htm

(3) チクングニア熱
アフリカ、東南アジア、南アジアの国々で流行しており、2006年にはインドで約140万人の感染者が報告されています。
我が国では、2011年に海外で感染して帰国後にチクングニア熱と診断された事例(輸入症例)が、10例確認されています。

○発生地域:アフリカ、東南アジア(フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールなど)、インド、パキスタン、インド洋島嶼国(スリランカ、モルディブなど)。2007年にはイタリア、2010年にはフランスでも流行。

○感染経路:ウイルスを保有したヤブカ類に刺された際に感染する。
○主な症状:2~12日(通常4日~8日)の潜伏期ののち、突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹。関節痛は急性症状消失後も数か月続くことが多い。
○感染予防:長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け剤や蚊帳の使用等により、屋内のみならず屋外でも蚊に刺されないように注意する。室内の蚊の駆除を心がける。

○参考情報:
FORTH/厚生労働省検疫所「チクングニア熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name32.html

国立感染症研究所感染症情報センター「チクングニア熱」
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k07/k07_19/k07_19.html

国立感染症研究所 ウイルス第一部第2室「チクングニア熱」
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/Aiphavirus/Chikungunyahtml.htm

(4) ウエストナイル熱・脳炎
ウエストナイルウイルスが原因の熱性感染症です。このウイルスは、鳥と蚊の間で維持されている感染症です。北米地域だけで例年数千人の感染者が報告されています。
米国での流行は、例年蚊の活動が活発になる7月頃から始まり、年末まで報告が続くのが特徴です。
○発生地域:アフリカ、欧州南部、中央アジア、西アジア、近年では北米地域、中南米、ロシアにも拡大している。
○感染経路:ウイルスを保有した蚊(主にイエカ類)に吸血された際に感染する。媒介する蚊は多種類に及ぶ。
○主な症状:2~14日(通常1日~6日)の潜伏期のち、発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、背部痛、発疹など。感染者の一部は脳炎を発症し、まれに死亡することがある。
○感染予防:長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け剤や蚊帳の使用等により、屋内のみならず屋外でも蚊に刺されないように注意する。特に日没後の屋外で蚊に刺されないようにする。室内の蚊の駆除を心がける。

○参考情報:
厚生労働省「ウエストナイル熱について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/west_nile_fever.html

FORTH/厚生労働省検疫所「ウエストナイル熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name29.html

国立感染症研究所「ウエストナイルウイルス」
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/WNVhomepage/WN.html

(5) クリミア・コンゴ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる発熱性出血熱を特徴とする感染症です。このウイルスは、ヒツジなどの家畜とダニの間で維持されています。死亡率の高い感染症で、北半球では4月から6月に流行します。特に、中央アジアや中東では、 毎年患者が発生しています。

○発生地域:中国西部、東南アジア、中央アジア、中東、東ヨーロッパ、アフリカ。
○感染経路:ダニに咬まれたり、感染動物(特にヒツジなどの家畜)と接触したりして感染する。
○主な症状:発熱、関節痛、発疹、紫斑(出血)、意識障害など。
○感染予防:長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。また、家畜などにむやみに触れない。

○参考情報
FORTH/厚生労働省検疫所「クリミア・コンゴ出血熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name38.html

国立感染症研究所感染症情報センター「感染症の話:クリミア・コンゴ出血熱」
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_31/k02_31.html

2.動物由来感染症
「動物由来感染症」とは動物から人に感染する病気の総称です。日本での発生はありませんが、海外では、人に重篤な症状を起こす感染症が存在しています。
むやみに動物に触れることは避けてください。

(1) 鳥インフルエンザ(H5N1)
H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスを病原体とする鳥インフルエンザは、東南アジアを中心に家きん(ニワトリ、アヒルなど)の間で発生しています。
人が感染した場合には、重篤な症状となることが多く、WHOによると、2003年11月から2012年7月6日までに世界15か国で607人の発症(うち死亡358人)が報告されています。
2012年も、新たな患者が、中国、ベトナム、バングラディシュ、カンボジア、エジプト、インドネシアで確認されています。

○発生地域:東南アジアを中心に、中東・ヨーロッパ・アフリカの一部地域など
○感染要因:感染した家きんやその臓器、体液、糞などとの濃厚な接触
○主な症状:1~10日(多くは2~5日)の潜伏期間ののち、発熱、呼吸器症状、下痢、多臓器不全など。
○感染予防:家きんやその臓器等との接触を避け、むやみに触らない。生きた鳥が売られている市場や養鶏場にむやみに近寄らない。手洗いやうがいの励行(特に発生国・地域では徹底する)。

○参考情報:
厚生労働省「鳥インフルエンザに関する情報」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html

FORTH/厚生労働省検疫所「鳥インフルエンザ(H5N1)」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name54.html

国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:鳥インフルエンザ」
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html

(2)狂犬病
狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症です。人は感染動物(アジアでは主として犬)に咬まれることよって唾液からウイルスに感染し、長い潜伏期の後に発症します。発症すると有効な治療法は無く、ほぼ100%死亡します。世界における死者数は毎年5万5千人といわれています。感染動物に咬まれても、直ちに狂犬病ワクチンを接種することにより発症を防ぐことができます。
我が国では、2006年にフィリピンで犬に咬まれ帰国後に発症し死亡した事例が2例報告されています。
狂犬病流行地で犬などの動物に咬まれたら、すぐに傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く現地の医療機関を受診し、傷口の消毒や狂犬病ワクチンの接種を受けてください。また、感染の恐れがある場合には、帰国時に検疫所にご相談ください。

●2008年11月には、それまで狂犬病の発生がないとされていたインドネシアのバリ島で犬の狂犬病感染例が確認され、発病した犬に噛まれた住民が死亡しています。バリ島での狂犬病流行は継続しており、現在も死亡者が確認されています。

●狂犬病発生地域では、動物(野良犬等)との接触機会が増えれば増えるほど感染のリスクが高まります。WHOによると、狂犬病高発生地域の一つであるインドでは、全国民の1.6%の人が1年の間に犬に咬まれたことがあるとしています。2012年5月には、インド旅行中に子犬に咬まれた英国人女性が狂犬病予防ワクチンを接種することなく帰国した後に狂犬病を発病して死亡しています。

○発生地域:世界のほとんどの地域。特にアジア、アフリカ
○感染要因:動物(アジアでは特に犬)から咬まれること。アメリカ大陸では、コウモリにも狂犬病の流行がみられ、狂犬病ウイルスに感染したコウモリに咬まれて死亡する事例が報告されている。なお、北米ではアライグマ、スカンク、キツネ等、東ヨーロッパではキツネ、タヌキ等の野生動物で狂犬病が流行しており、注意が必要である。

○主な症状:1~3か月の潜伏期間の後、発熱、咬まれた場所の知覚異常、恐水・恐風症状等の神経症状、飲み込み困難、けいれん)など。
○感染予防:犬等(猫、野生動物を含む。特に飼い主のわからない動物)との接触を避ける(特に小さな子供を動物のそばで一人にさせない)。
もし犬等に咬まれたり引っかかれたりした場合は、傷口を石けんと水でよく洗い、速やかに医療機関を受診し、消毒等の処置をした上で、ワクチンの接種について医師に相談する。狂犬病のハイリスク地域(アジア、アフリカ等))に渡航し、動物と頻繁に接触する場合や地方(農村部等)で野外活動を行う場合は、渡航前に狂犬病ワクチン接種を受けておく。

○参考情報:
厚生労働省「狂犬病について」:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html

(3) エボラ出血熱
主にサハラ砂漠以南のアフリカ熱帯雨林地域で流行している、ウイルスによる発熱性出血熱を特徴とする感染症です。現在まで,アフリカ西部のコートジボワールとアフリカ中央部で発生しています。2000年から2001年にはウガンダで、2001年から2002年にはガボンとコンゴ民主共和国の国境地帯での流行が報告されています。さらに、スーダンやウガンダでも流行が発生しています。

○発生地域:アフリカ(中央部~西部)
○感染要因:自然宿主はオオコウモリとされている。感染したサルなどの動物の血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触でも感染する可能性がある。エボラ出血熱患者に接触して感染する場合が最も多い(院内感染など)。また、流行地域の洞窟に入ることは感染リスクの一つである。
○主な症状:2~21日の潜伏期ののち、発熱、頭痛、下痢、筋肉痛、吐血、下血など。インフルエンザ、チフス、赤痢等と似た症状を示す。
○感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。洞窟に入らない。

○参考情報:
FORTH/厚生労働省検疫所「エボラ出血熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html

(4) マールブルグ病
マールブルグ病はエボラ出血熱とともに、ウイルスによる発熱性出血熱を特徴とする感染症であり、アフリカのケニア、ジンバブエ、コンゴ民主共和国、アンゴラなどで発生しています。2008年にはオランダ、米国の旅行者が、ウガンダの洞窟に入り、帰国後にマールブルグ病を発症・死亡した事例が報告されています。

○発生地域:サハラ以南のアフリカ
○感染経路:自然宿主はオオコウモリであることが明らかにされた。洞窟内ではオオコウモリから排泄されたウイルスが原因となり、経気道感染することがある。感染したサルなどの動物の血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触でも感染する可能性がある。マールブルグ病患者に接触して感染する場合が最も多い(院内感染など)。
○主な症状:3~10日の潜伏期ののち、初期には発熱、頭痛、悪寒、下痢、筋肉痛など。その後体表に斑状発疹、嘔吐、腹痛、下痢、出血傾向。
○感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。洞窟に入らない。

○参考情報:
厚生労働省「マールブルグ病に関する海外渡航者への注意喚起について」:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou25/index.html

3.諸外国での感染に注意すべき感染症
WHOは、麻しんについては「麻しん排除計画」により、ポリオについては「ポリオ根絶計画」により、感染者数の減少に取り組んでいます。
日本においては、麻しんは2008年に11、012人の患者報告がありましたが、2011年に434人まで減少しています。また、ポリオは、30年近くにわたり野生株によるポリオ症例は発生していません。
麻しんとポリオは、流行地での感染に留意する必要があります。

(1) 麻しん(はしか)
世界中で年間13万9,000人以上の麻しんによる死者がいると推計され、主にアフリカ、東アジア、南アジアの国々から報告されています(WHOによる2010年時点の推計)。

○発生地域:2011年は排除宣言が出されている米国、カナダに加えて、患者数が減少していたヨーロッパ諸国やニュージーランドでも患者報告数が増加していた。
ヨーロッパ諸国では2011年までに29カ国から計約30,000人の麻しん患者の報告があり、特にフランスの麻しん患者数は15,000人を超え、麻しんによる死亡も6人報告されている。その他、アフリカ、アジアなどの予防接種率の低い国では依然として患者数が多い。

○感染経路:空気感染,飛まつ感染,接触感染。
○主な症状:発熱、咳、鼻水、目の充血・目やになどが2~3日続いた後、39℃以上の高熱と全身に発疹が出る。肺炎、中耳炎、脳炎が起こる場合もある。
○感染予防:麻しんワクチンの予防接種が有効。海外では,麻しんのみならず、風しんが流行している国も多く、海外で感染した患者も報告されていることから、麻しん風しん混合ワクチンの接種が勧められる。(日本では、定期予防接種を1歳から2歳未満に1回目を受け、小学校入学前1年間の間に2回目を受ける。2008~2012年度の5年間は、中学1年生と高校3年生相当年齢の人にも実施している。)

○参考情報:
厚生労働省検疫所「麻しん」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name62.html

国立感染症研究所感染症情報センター「麻疹」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/disease/ma/measles.html

感染症流行予測調査(国民の抗体保有率など)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/yosoku-index.html

(2) ポリオ
2011年には、世界で650人の患者が報告されました(WHO世界ポリオ根絶計画事務局による集計)。日本では、30年近くにわたり,野生株によるポリオ症例は発生していませんが,ポリオ流行地で感染し、帰国後に発症する可能性があること(輸入症例)に留意する必要があります。

○発生地域:流行国は、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3か国だが、周辺国でも輸入症例の発生が報告されている。2011年はパキスタン、チャド、コンゴ民主共和国等で多数の患者が報告され,中国新疆ウイグル自治区でも野生株ポリオの流行が報告された。2012年には、ナイジェリアとパキスタン等で、引き続きポリオ流行が認められている。

○感染経路:経口感染(感染者の糞便中に排泄されたウイルスが、口から体内に入る)。
○主な症状:感染した人の90~95%は症状が出ずに経過するが、典型的な麻痺型ポリオの場合、かぜのような症状が1~10日続いて、手足に非対称性の弛緩性麻痺(だらりとした麻痺)が起こる。
○感染予防:ポリオワクチンの予防接種が有効。また、流行国では、十分に加熱されていない物の飲食は避け、食事の前には手洗いを行う。なお、WHOでは流行国に渡航する場合には、ポリオの予防接種を受けていても、出発前の追加接種を勧めている。

○参考情報:
厚生労働省検疫所「ポリオ」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name09.html

国立感染症研究所感染症情報センター「感染症の話 急性灰白髄炎(ポリオ、小児麻痺)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g2/k01_26.html

4.そのほか注意すべき感染症
水や食べ物から感染する消化器系の感染症はA型肝炎、E型肝炎、コレラ、赤痢、腸チフスなど数多く存在しますが、開発途上国など公衆衛生の整備が不十分な地域では感染するリスクが高く、注意が必要です。このような地域では、生水、氷、サラダ、生鮮魚介類、生肉等の十分に加熱されていない物の飲食は避け、手洗いをこまめに行いましょう。また、生鮮魚介類や生肉等を介した寄生虫疾患にも注意が必要です。

○参考情報:
厚生労働省「海外で注意しなければならない感染症」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/travel/dl/2012summer_00.pdf

5.海外の感染症に関する情報
海外の感染症に関する情報は、厚生労働省検疫所及び外務省のホームページから入手することが可能です。出発前に渡航先の感染症の流行状況等に関する情報を入手することをお勧めいたします。また、日本国内の空港や港の検疫所においても、リーフレット等を用意し情報提供を行っていますので、ご活用ください。

○感染症に関するホームページ
■世界各地の感染症発生状況
●FORTH/厚生労働省検疫所ホームページ
http://www.forth.go.jp/index.html

●外務省海外安全ホームページ > 感染症関連情報
http://www.anzen.mofa.go.jp/

■感染症別の詳細情報
●FORTH/厚生労働省検疫所ホームページ 感染症についての情報
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name.html

●国立感染症研究所 感染症情報センターホームページ > 疾患別情報
http://idsc.nih.go.jp/disease.html

■予防接種に関する情報
●FORTH/厚生労働省検疫所ホームページ 命を守る予防接種
http://www.forth.go.jp/useful/attention/02.html

●外務省ホームページ > 渡航関連情報 > 在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/vaccine/index.html

■渡航先の医療機関等情報
●外務省ホームページ > 渡航関連情報 > 在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html ○参考情報

厚生労働省「夏休み期間中における海外での感染症予防について」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/travel/2012summer.html (問い合わせ先)

○外務省領事局政策課(医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850

○外務省領事サービスセンター(海外安全相談担当)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

○外務省海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版)http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

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