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2012年9月
1.概況
2012年第1四半期のキプロス経済は、主に観光業、法曹・会計業ならびに通信サービス業で成長が見られる一方、建設業や製造業などの第2次産業や貿易業・運輸業の低迷を受け、GDP成長率が前年同期比2.3%減となる見込み。
6月にユーロ圏及びIMFに支援要請を行ったキプロスは、その後トロイカによる数度にわたる財政・経済状況調査を受け入れた。キプロス政府は、トロイカ側が提示したメモランダム案(財政支援にあわせて実施される措置を含む)について検討調整を続けているが協議は難航している。
2.財政
財務省の発表によれば、2012年第2四半期の歳入は15億90万ユーロ(前年同期比9.7%減)となった一方、歳出は19億1,030万ユーロ(前年比3.4%減)となり、財政赤字は4億940万ユーロ(前年同期は3億1,580万ユーロ)となった。
主な歳入は、生産税及輸入関税による税収が6億2,070万ユーロ(前年同期比7.3%減)、VATによる税収が3億5,950万ユーロ(前年同期比3.6%減)、所得税及び富裕税による税収が3億840万ユーロ(前年比18.1%減)となった。一方、主な歳出は、公務員人件費が6億6,900万ユーロ(前年同期比2.0%増)、移転支出が6億9,880万ユーロ(前年同期比4.8%増)及び中間消費が1億1,230万ユーロ(前年同期比23.7%減)となった。
3.主な産業
(1) 観光業
2012年8月の観光客数は36万3,573人(前年同月比7.9%増)となった。個別には、ロシアからの観光客が大幅に増加し、7万9,291人(同%55.5増)となった他、スウェーデン、ドイツ、ノルウェーからの観光客にも増加が見られ、それぞれ1万8,545人(同6.9%増)、1万3,616人(同13.8%増)と1万110人(同1.9%増)となった。一方、英国及びギリシャからの観光客は減少し、それぞれ14万6,136人(前年同月比7.0%減)、1万2,251人(同7.8%減)となった。
なお、2012年7月の観光業による収益は3億150ユーロ(前年同月比9.9%増)となった。
(2) 建設業
2012年1月~6月の建築許可証発行数は、3,671件と前年同期比8.8%減となった。
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.経済指標
(1) GDP成長率
2012年第2四半期のGDP成長率は前年同期比-2.3%となった。
(2) 消費者物価指数
2012年8月の消費者物価指数は前年同月比2.7%の上昇となった。
(3) 失業率
2012年8月の失業率は、10.9%となった。
出典:(1)及び(2)キプロス財務省、(3)EU統計局(ユーロスタット)
※各種公表資料・報道等参照
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