Home |  Skip navigations |  Ελληνικά 
 

キプロス経済概況

 
2011年9月


1.概況


キプロス経済は、建設業や製造業が低迷する一方、観光業、銀行業及びサービス業等に回復が見られ、2011年第 2四半期のGDP成長率は前年比1.4%増(同年第1四半期は1.7%増)となった。また、7月11日のナヴァル海軍基地爆発により生じた、国内最大のヴァシリコス発電所の破損はキプロス経済に大きな影響を与えることとなった。今次発電所破損によるキプロスの経済負担は10億ユーロから30億ユーロに上ると見られている。

こうした状況を受け、三大格付け会社(ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)及びフィッチ)は、キプロスが財政支援を要請するのではないかと懸念し、2011年7月から8月にかけ、ムーディーズ A2 から Baa1へ、スタンダード・アンド・プアーズは A- からBBB+へ、フィッチは A- から BBBへ同国国債の格下げを行った。



2.財政


2011 年第 2 四半期も、財政収支バランスの悪化が続いている。 2011 年上半期の歳入が 29 億 2,700 万ユーロ(前年比 0.3% 減)である一方、歳出は 35 億 6,400 万ユーロ(前年同期比 9.2% 増)となり、財政赤字は、 6 億 3,700 万ユーロ、対 GDP 比 3.5% ( 2010 年上半期は 3 億 2,900 億ユーロ、対 GDP 比 1.9% )となった。また、 2011 年上半期の政府債務は対 GDP 60.3% ( 2010 年末は 61% )となったが、欧州委員会の予測によれば、 2011 年末の政府債務は対 GDP 比 62.3% となる見込み。しかし、ヴァシリコス発電所破損の復旧に向け、キプロス政府が国債発行を行った場合、政府債務は対 GDP 比 65% から 75% まで拡大する可能性がある。

こうした中、急上昇しているキプロス国債利回りを抑えるため、キプロス議会は、第一次緊縮措置(2億2千万ユーロ規模)を可決した。今回の措置には、公務員給与削減、公務員の年金システムの見直しの他、配当金(利子、所得)税の引き上げ、会社登録手数料の導入、不動産税の増税等が含まれる。キプロスは、発電所破損の影響により、2011年の財政赤字が対GDP 比6.5%に達すると予測しているが、今次緊縮策の実施により対GDP比5.5%に留め、2012年は2%以下まで削減することを目標としている。


3.その他

(1) 民主党(DIKO)の政権離脱と内閣改造
7月11日に発生した海軍基地爆発事故の影響により、パパコスタス(前)国防大臣及びキプリアヌー外務大臣が辞任を表明していたが、 7月28 日、全ての閣僚が辞表を提出するに至った。フリストフィアス大統領辞任を求める世論もあったが、同大統領は大統領職に留まることを選択した。

閣僚の辞表提出後、AKEL(労働者進歩党)出身のフリストフィアス大統領と、AKELと連立を組んでいたDIKOのカロヤン党首との間で3度に亘って会談が持たれ、内閣改造の行方につき協議が行われてきたが、8月3日の会談の結果、キプロス問題に関する深刻な相違のため、DIKOは連立内閣から退くことを決定した。同月5日、キプロス政府は新閣僚名簿(留任が3名、他省の大臣に転出した者が2名)を発表した。以前より辞表を提出していたキプリアヌー外相の後任としては、元外相であり、今まで通信・公共事業大臣を務めていたマルクリ氏が指名された。

(2) 天然ガス開発問題
イスラエル沖で発見された天然ガスの開発に関し、トルコが発掘作業の阻止をはかる中、キプロス政府は当初計画の10月1 日採掘作業開始を前倒しし、9月18日から米ノーブル社による作業が開始された。

※各種公表資料・報道等参照
 
 
←戻る キプロス関連へ→
 
 
 

       

        

                  

          

法的事項アクセシビリティーについてプライバシーポリシー