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キプロス経済概況

  2011年3月


1.概況

キプロスは2009年から景気後退に突入したが、2010年第2四半期から回復の兆しが見え始め、輸出などの回復により2010年のGDP成長率は1%増となった。一方、民間消費や投資需要は減速状態にあり、公的機関は財政赤字削減に向け歳出削減を迫られるなど、回復状況は未だ不安定なものとなっている。

2010年第4四半期の観光業による収益は前年比7.3%増(2010年第3四半期は3.8 %増)となったが、建設業は低迷が続いており、2010年第4四半期の建築許可発行数は前年比6.5 %減となった。建設業の悪化は雇用にも影響を与えており、2010年第4四半期の季節調節済失業率は、7.2 %に上ったが、経済状況の回復により2011年末には6%まで縮小するものと予想される。

輸入原油価格及び日用品価格の高騰により2010年のインフレ率は著しく上昇し、前年比2.6%増(2009年は0.2% 増)、2011年1月は3%増となり、今後は民間消費の回復などにより引き続き上昇するものと見られる。


 

2.財政

キプロスの財政状況は、2009年に急激に悪化し、財政赤字は対GDP比6%に上ったが、 2010年は、歳入増加(前年比6%増)や歳出削減(前年比2.7 %減)により、対GDP比5%程度まで縮小した。一方、政府債務は、 2010 年は対GDP比61.4%(2009年は対GDP比58.1 %、2008年は対GDP比48.4 %)となった。経常財政支出は、2010年は前年比3.64 %増(給与支出1.45 %増を含む)となる一方、財政再建の影響を受け、公共投資は7%減となった。

IMFは2011年世界経済見通しにおいて、キプロスの経済成長は、2011年は、1.7%増(2010年10月予測時は1.8%増)、2014年は2.6 %増(2010年10月予測時は2.9 %増)と前回予測時よりもやや減速するとの見方を示した。一方、財政赤字については、2011年は対GDP比4.5 %(2010年10月予想時は対GDP比5.3 %)、政府債務は対GDP比63.7 %(2010 年10月予想時は対GDP比70.2 %)と予測している。これについて、スタブロス財務大臣は、IMFのキプロス経済に対する信頼の表れであると述べ、今次見通しはポジティブなものとなっており、経済成長や財政赤字の削減、政府債務の安定が予想され、政府債務は他のEU加盟国と比べ例外的に低い数値となっていると述べた。


3.関連情報


(1) ドイツとの二重課税防止条約署名
2月18日、キプロスはドイツとの間で所得及び資産に対する二重課税防止条約に合意し署名を行った。署名は、スタブラキス財務大臣とザイツ駐キプロス・ドイツ大使により行われ、1974年に二国間で締結した二重課税防止条約を改めたものとなる。

(2) キプロス航空をめぐる動き
2月下旬、スタブラキス財務大臣は、トルコによる同国への発着禁止措置により損害が生じているキプロス航空(CY)の補償として、議会が2千万ユーロ規模の出資を承認しなければ、同社は遅くとも4月までに倒産する可能性があると警告した。 3月3日、キプロス議会は、キプロス航空への資金注入(200億ユーロ規模)を承認したが、欧州委員会競争局総局長は、2月28日、スタブロス財務大臣宛に書簡を送付し、国家による如何なる救済措置も欧州委員会による承認が必要である旨警告しており、スタブラキス大臣はこれについて議会に報告を行わなかったものと見られている。

(3)米格付け会社によるソブリン格下げ
2月24日、米格付け会社ムーディーズは、ギリシャに対するキプロスの銀行のエクスポージャーについて指摘するとともに、キプロスの財政改善状況について持続可能ではないとして、キプロスのソブリン格付けを2段階引き下げ「A2」とした。また、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ は、3月30日、キプロス国債を「A」から「A-」に引き下げた。

(4)ロシアの対キプロス投資
3月18日、当地エコノミストは、第4回キプロス・エコノミスト・サミットにおいて、2010年のロシアの対キプロス投資は約27億ユーロに上り、キプロスのGDPに占める割合は12%に上ると述べた。同投資額には、法律及び会計サービス業務(5億ユーロ)、ロシア人の銀行貯蓄(2,800 万ユーロ)及び法人税(3,400 万ユーロ)を含む一方、ロシア人観光客からの収益(年間2億2,100 万ユーロ)及び在留ロシア人から収益は含まれていない。


※各種公表資料・報道等参照
 
 
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