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2014年1月-3月
1.概況
2013年第4四半期のキプロス経済は、観光業に成長が見られたものの、建設業や製造業などの第2次産業の他、銀行業・貿易・運輸業等が低迷し、GDP成長率は前年同期比5.1%減となった。
1月29日~2月11日、財政再建プログラムの一環として、トロイカ(欧州委員会、欧州中央銀行及びIMF)調査団がキプロスを訪問し、第三回評価調査を行った。調査終了直後の2月13日、キプロス政府は融資受け取りに先立ち、財政政策や予算組立ての際の規定を盛り込んだ財務・予算システム法案(Fiscal responsibility and Budget System Law)と民営化関連法案を国会で可決し、前提条件を達成した。
トロイカは3月に発表した評価報告書の中で、キプロスの財政再建プログラムは順調に進んでおり、慎重な予算執行と景気後退の緩和によりキプロスは2013年の財政目標を達成したと評価した。
3月10日、ユーログループは声明にてトロイカの報告書を歓迎し、1億5,000万ユーロの融資実施(4月上旬)を承認した。また28日、IMF理事会は8,330万ユーロの融資を承認した。
2.財政
財務省の発表によれば、2013年第4四半期の歳入は19億7,050万ユーロ(前年同期比5.9%増)となった。また、歳出は25億5,970万ユーロ(同6.3%増)となり、財政収支は5億8,920万ユーロの赤字(前年同期は5億4,610万ユーロの赤字)となった。
同期間の主な歳入は、生産税及び輸入関税によるものが6億1,140万ユーロ(前年同期比16.8%減)、VATによる税収が3億6,520万ユーロ(同18.3%減)、所得税及び富裕税による税収が6億1,090万ユーロ(同13.4%増)となった。一方、歳出については、社会移転が7億7,530万ユーロ(同13.5%増)、公務員人件費が7億5,850万ユーロ(前年同期比9.2%減)となった。
出展: キプロス統計局
3.主な産業
(1) 観光業
2014年3月の観光客数は7万7,533人(前年同月比16.3%減)となった。個別には、英国からの観光客が3万368人(同22.5%減)、ギリシャからの観光客が7,038人(同12.6%減)、ドイツからの観光客が6,496人(同41.5%減)となる一方、ロシアからの観光客は8,134人(同5.8%増)となった。
(2) 建設業
2013年1月~12月の建築許可証発行数は、5,341件と前年同期比25.5%減となった。
4.経済指標
(1) GDP成長率
2013年第4四半期のGDP成長率は前年同期比-5.1%となった。
(2) 消費者物価指数
2014年3月の消費者物価指数は前年同月比2.3%の下落となった。
(3) 失業率
2014年2月の失業率は、16.7%となった。
出典:キプロス統計局及びEU統計局(ユーロスタット。4 (3) のみ)
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