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キプロス概況

  2014年7月-9月


1.内政

(1) 7月15日~25日、キプロス政府とトロイカの協議が行われた。トロイカ側は銀行の不良債権問題の解決に向け、キプロス政府に次回融資(3億5,000万ユーロ)の条件として抵当権執行の迅速化に関する法案の採択を求めた。キプロス政府はこれに応じるべく法制化を進めていたが、野党からの大きな反発を受け、8月末~9月初めまで野党と交渉を続けた。その結果、法案は一部修正され、9月8日、国会で可決された。しかし、同修正事項はトロイカから認められず、9月12日のユーログループで、ダイセルブルーム議長は今回可決された法案は融資条件を満たすものではないと述べ、融資は見送られた。

トロイカの承認が得られていないために、アナスタシアディス大統領は法案に署名しておらず、法案はまだ成立していないが、アナスタシアディス大統領は法案を無効化するため最高裁判所に法案内容の違憲性の判断を求めている状況である。裁判所からの判決は10月20日以降となる見込み。

(2) 9月10日、次期欧州委員会委員のポートフォリオが発表され、キプロスからはスティリアニディス欧州議会議員(前キプロス政府報道官)が人道支援及び危機対応担当委員に指名された。



2.外交

(1) アナスタシアディス大統領の訪希

7月28日、アナスタシアディス・キプロス大統領はギリシャを訪問し、サマラス首相とキプロス問題の進捗状況について会談した。サマラス首相は、キプロスの取り組みを引き続き支援する旨述べた。

(2) カスリーディス外相と牧野外務大臣政務官の会談

8月5日、カスリーディス外相はニコシアにて当地訪問中の牧野外務大臣政務官(当時)と会談し、キプロス問題、地域情勢、エネルギー問題及びEU-日本関係等幅広い内容について協議した。

(3) アナスタシアディス大統領とユンカー新欧州委員長の会談

8月31日、アナスタシアディス大統領はブラッセルで開催されたEU首脳会合のマージンでユンカー新欧州委員長とキプロス問題や同国の経済情勢について協議した。

(4) アナスタシアディス大統領の訪米

9月21日~27日、アナスタシアディス大統領は第69回国連総会出席のため訪米した。21日、同大統領はケリー米国務長官と会談し、キプロス問題の解決に向けた次のプロセスについて協議した。ケリー国務長官は近々キプロスを訪問する意向を示した。

期間中、アナスタシアディス大統領はヴェニゼロス・ギリシャ副首相兼外相やシーシ・エジプト大統領等とも個別に会談した。また26日、アナスタシアディス大統領は国連総会でキプロス問題等について一般討論演説を行った。

(5) カスリーディス外相の訪米

9月20日、カスリーディス外相は国連総会出席のため訪米し、26日、ヴェニゼロス・ギリシャ副首相兼外相及シュクリ・エジプト外相と三者会談を行い、会談後、中東情勢の安定化に向けた三ヶ国協力に関する共同声明を発表した。


3.キプロス問題

(1) 8月、エスペン・バース・アイデ元ノルウェー外務大臣がキプロス問題交渉における新国連事務総長特別顧問に任命された。

(2) 9月1日,エルドアン・トルコ大統領は「北キプロス」を訪問し、エロール代表と会談した。エルドアン大統領はキプロス問題に対し強硬な姿勢を示し、(国連安保理決議に基づく)二つの共同体・二つの地帯から成る連邦(biocommunal-bizonal federation)の原則に反対である旨述べた。

(3) 10月初め、トルコがキプロスのEEZ内へのキプロスの船舶の侵入を制限するガイドラインを発出するなどしたことに対し、同7日、アナスタシアディス・キプロス大統領は抗議し、与野党党首の合意を得た上で、国連が仲介するトルコ系キプロスとの南北交渉を停止する旨決定した。

この決定により、同9日に予定されていたアナスタシアディス大統領、エロール・トルコ系キプロス代表及びアイデ国連特使の協議は実施されず、アイデ特使は両系代表と個別に協議を実施した。


4.経済

(1) アナスタシアディス大統領とドラギECB総裁の会談

7月16日、アナスタシアディス大統領はフランクフルトにてドラギECB総裁と会談した。両者はキプロス危機の際に銀行向けに実施された緊急流動性支援(ELA)の問題や国内銀行の不良債権問題等について協議した。

(2) 成長率

2014年第2四半期のキプロス経済は、観光業及び貿易で回復が見られる一方、建設業や製造業などの第2次産業の他、銀行業及び運輸業が低迷し、GDP成長率は前年同期比-2.2%となった。

(3) 財政

財務省の発表によれば、2014年第2四半期の歳入は16億1,220万ユーロ(前年同期比1.0%増)となった。また、歳出は16億2,380万ユーロ(同10.1%減)となり、財政収支は1,160万ユーロの赤字(前年同期は2億950万ユーロの赤字)となった。

(4) 観光

2014年8月の観光客数は37万3,086人(前年同月比5.9%増)となった。個別には、英国からの観光客が13万5,424人(同6.5%増)、ロシアからは11万725人(同11.6%増)、イスラエルからは1万3,201人(同61.7%増)となる一方、スウェーデンからの観光客は1万6,642人(同9.7%減)、ドイツからは8,356人(同3.9%減)、ノルウェーからは7,592人(同14.5%減)、ギリシャからは7,472人(同18.2%減)となった。


5. 経済指標

(1) GDP成長率

2014年第2四半期のGDP成長率は前年同期比-2.2%となった。
  出典:キプロス統計局

(2) 消費者物価指数

2014年9月の消費者物価指数は前年同月比0.9%の下落となった。

  出典:キプロス統計局

(3) 失業率

2014年8月の失業率は15.4%となった。

  出典: EU統計局(ユーロスタット)

 

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