Home | Skip navigations | Ελληνικά
 

ギリシャ経済最新情報

 
2013年6月



1.概況
公共放送ERTの突然の閉鎖と約2600名(2700名とも)の解雇をめぐり、民主左派は閣僚を引き上げ連立政権を離脱した。これを受けてサマラス首相は内閣改造を実施。従来から政権へのより積極的な参加を主張していたPASOKから、ヴェニゼロス党首(副首相兼外相)など大臣・副大臣としてあわせて11人(PASOK推薦の非議員を含む)が入閣した。一方、連立を離脱した民主左派は、法案毎、是々非々で対応する方針であり、連立2党は辛うじて議会過半数を確保している状態(153/300議席)。今後、公務員削減や公的部門改革を本格化させていかなければならない時期を乗り切ることができるのか懸念が残る。

閉鎖が決定されたERT本社前では同社の閉鎖に反対する抗議活動が行われたものの、腐敗や浪費の温床とされる同社の閉鎖には政府を支持する声もあり、抗議活動は広がりを欠いている。政府は新公共放送の立ち上げまで約2000名を再雇用し、放送を継続させ、新会社では約1000名を雇用する方針とされる。

公有財産民営化では、注目されていたガス公社(DEPA)及びガス配送公社(DESFA)の株式売却入札において、期待されたロシア企業からの入札はなく、DESFA株式の売却にアゼルバイジャン石油公社(SOCAR)が入札したのみであった。DEPAの入札不調を受けて、今年度末までの民営化歳入目標の達成は早くも困難となった。

他方、28日にアゼルバイジャンは、シャフ・デニズ・ガス田の天然ガス供給ルートとして、ギリシャを通過するアドリア海横断パイプラインを選定した旨発表。雇用創出につながる大型投資案件の決定はギリシャ政府にとって久々の明るいニュースとなった。


2.財政

ギリシャ財務省が公表した2013年1月~5月の財政統計によれば、同期間の財政赤字は、38億5,700万ユーロとなり、政府目標の70億6,200万ユーロ以下に収まった。また、同期間のプライマリーバランスは9億8,400万ユーロの赤字となり、同目標の41億6,500万ユーロの赤字と比較して大きく改善された。

歳入は、法人税、VAT及び燃料税による税収の他、税外収入の徴収が政府目標を下回る一方、所得税、不動産税、金融取引税等の税収の他、公共投資収益が目標を上回ったことにより191億5,000万ユーロとなり、政府目標を4億2,000万ユーロ上回った。

歳出は230億600万ユーロとなり、政府目標の257億9,300万ユーロより27億8,600万ユーロ低く抑えられた。

出典:ギリシャ財務省


3.
輸出入
2013年4月の輸入総額は39億1,640万ユーロ(前年同月は39億5,500万ユーロ)と前年同月比1.0%減となった。一方、輸出総額は24億9,960万ユーロ(前年同月は21億6,280万ユーロ)と前年同月比15.6%増となった。2013年3月の貿易収支赤字は14億1,680万ユーロと前年同月比20.9%減となった。

出典: ギリシャ統計局


4.主な産業分野
(1)観光業
ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、2013年5月の国内主要空港の観光客到着数(暫定値)は、142万9,796人となり、前年同月比18.44%増となった。個別には、アテネ空港が25万2,000人(同10.09%増)、テッサロニキ空港が13万6,021人(同14.31%増)、イラクリオン空港(クレタ島)が30万8,498人(同27.36%増)、ロードス空港が21万5,705人(同9.24%増)、ハニア空港(クレタ島)が11万4,566人(同28.07%増)、コス空港が11万2,972人(同21.81%増)、コルフ空港が10万9,040人(同19.85%増)となり、昨年同月と比べ特に島嶼部の観光客数が大きく増加した。

(2) その他の産業
2013年3月の建設許可発行数は1,218件と前年同月比50.9%減となった。

出典:ギリシャ統計局


5.経済指標
(1)消費者物価指数
 2013年5月の消費者物価指数は前年同月比0.4%の下落となった。


(2)失業率
2013年3月の失業率は26.8%となり前月から0.1%増加した。*1


出典: ギリシャ統計局
 
*1: 2013年2月の失業率は、ギリシャ概況(2013年5月)公表後、ギリシャ統計局により27.0%から26.7%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。


※各種報道・公表資料を基に作成。


←「ギリシャ国内経済」へ戻る
 
西林 万寿夫 大使より 大使館活動報告・一覧
  Japan Info Links