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ギリシャ経済最新情報

  2013年5月

1.概況
トロイカの調査終了を受けて、3日に3月分28億ユーロ、17日には第1四半期分45億ユーロの融資がEFSFから実施された。公有財産の民営化では、くじ公社(OPAP)の発行済み株式33%の売却に関して、入札者との協議が成立し、6億5,200万ユーロでの売却が合意された。民営化計画には依然として遅延が見られるもののようやく大きな実績を1つ達成できたと言える。大手格付け会社フィッチが、投機的水準とはいえ、ギリシャの長期信用格付けをCCCから-Bに格上げしたこともギリシャ情勢が改善しつつある状況を反映しており、ストゥルナラス財務大臣も来年の国債市場復帰への期待感を示している。

政治情勢は、ここにきて世論調査において与党第1党の新民主主義党が、野党第1党の急進左派連合との間に僅かではあるが支持率に差をつけ始めている一方、同じ与党の全ギリシャ社会主義運動、民主左派への支持は上向いていない。反人種差別法案をめぐる3党間の立場の相違もあり、今後、公務員の解雇を含めた公的部門の改革を連立与党が一致して進めていけるかが注目される。


2.財政

ギリシャ財務省が公表した2013年1月~4月の財政統計によれば、同期間の財政赤字は、24億2,500万ユーロとなり、政府目標の57億4,000万ユーロの半分以下に収まった。また、同期間のプライマリーバランスは3億600万ユーロの赤字となり、同目標の36億1,300万ユーロの赤字と比較して10分の1以下となり大きく改善された。
歳入は、VAT及び燃料税による税収や税外収入が政府目標を下回った一方、所得税、不動産税、その他の間接消費税及び特別消費税(たばこ税)の税収の他、公共投資収益が目標を上回ったことにより157億4,300万ユーロとなり、政府目標を7億8,600万ユーロ上回った。

歳出は181億6,800万ユーロとなり、政府目標の206億9,700万ユーロより25億2,900万ユーロ低く抑えられた。歳出削減は政府支出の削減もさることながら、2012年春のPSIによる債務削減による利払い負担の軽減が大きく寄与しており、2012年1月~4月と比較して利払い負担が50億ユーロ以上削減されている。

出典:ギリシャ財務省


3.
輸出入
2013年3月の輸入総額は36億5,260万ユーロ(前年同月は51億9,010万ユーロ)と前年同月比29.6%減となった。一方、輸出総額は20億7,140万ユーロ(前年同月は22億4,770万ユーロ)と前年同月比7.8%減となった。2013年3月の貿易収支赤字は15億8,120万ユーロと前年同月比46.3%減となった。

出典: ギリシャ統計局

4.主な産業分野
(1)観光業
ギリシャ観光業協会(SETE)によれば、2013年4月の国内主要空港の観光客到着数(暫定値)は、48万614人となり、前年同月比9.97%減となった。個別には、アテネ空港が17万2,000人(同比17.64%減)、テッサロニキ空港が8万6,288人(同10.42%減)、イラクリオン空港(クレタ島)が7万6,165人(同14.58%減)、ロードス空港が4万9,134(同21.88%減)、ハニア空港(クレタ島)が3万8,300人(同14.16%増)となった。

(2)その他の産業
 ①2013年2月の新車登録台数(乗用車)は4,557台(前年同月比7.3%増)、3月は4,918台(同7.7%減)となった。
 ②2013年2月の建設許可発行数は1,240件と前年同月比45.3%減となった。

出典:ギリシャ統計局、ギリシャ中央銀行

5.経済指標
(1)消費者物価指数
2013年4月の消費者物価指数は前年同月比0.6%の下落となった。


(2)失業率
2013年2月の失業率は27%となり前月から0.3%増加した。
*1


出典: ギリシャ統計局
 
*1  2013年1月の失業率は、ギリシャ概況(2013年4月)公表後、ギリシャ統計局により27.2%から26.7%に修正されており、本号では当該修正後の数字を使用した。


※各種報道・公表資料を基に作成。


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