11月のイベント

 
アテネ・コンサートホールにおける 『日本週間 』


2009年春より日本・ギリシャ修好110周年を記念する様々なイベントが行われてきましたが、11月22日~28日、アテネ・コンサートホールにて 『日本週間』 としてそのハイライトを迎えました。

『日本週間』 では、日本の伝統芸術からモダンアートまで、毎日多彩なイベントが繰り広げられ、各行事にたくさんの方々が訪れました。1週間を通じて、普段見られない日本文化の一端が紹介され、新たな日本を発見されたギリシャの方も多かったのではないでしょうか。

この 『日本週間』 が契機となって、日本への理解が一層深まり、両国間の交流がさらに活発になることを願っています。


<日本週間イベント記録>

隈研吾 建築展
11月22日より28日まで、ギリシャ建築家協会・当館共催により世界的に活躍する日本人建築家、隈研吾氏を迎えて、講演会、作品展、学生ワークショップと、日本の現代建築をテーマとした一連のイベントが開催されました。


講演会 「Small things and Big things」

11月22日、 「日本週間」の幕開けとなった隈研吾氏の講演会には、多くの方々が訪れ、大きな会場は満席となりました。冒頭に、ギリシャ建築家協会代表のトンバジス氏、北村大使よりそれぞれ挨拶が行われました。

隈氏はこれまでに手掛けた多数のプロジェクトをスクリーンに投影しながら、どのようなコンセプトで進められたかなどを説明し、聴衆は熱心に聞き入っていました。最後に、同氏に多くの質問が寄せられ、日本の現代建築への関心の高さが窺えました。

     
                      隈 氏   北村大使              

     
                      トンバジス氏   講演の模様              


「Organic Architecture」 展

11月22日、隈研吾氏の講演後、隣のホールにおいて同氏、藤本壮介氏、石上純也氏出展による建築展のオープニングが行われました。建築展の前でトンバジス氏、隈氏、北村大使によるテープカットが行われた後、ホールはたくさんの来場者で埋め尽くされ、模型、写真などの展示品の周りにはあっという間に人垣ができました。同席していた三建築家は、作品を前に来場者と懇談するなど終始和やかな雰囲気に包まれていました。

展示期間中、親子連れなど毎日多くの人々が訪れました。

テープカット
      左より石上氏、藤本氏、隈氏

建築展の模様
           観賞する来場客


「日本・ギリシャ学生参加建築ワークショップ」

建築展に出展された藤本・石上両建築家を講師に迎えて、日本、ギリシャそれぞれ全国から集まった建築学科生各10名が5つのグループに分かれ、 11月24日から28日までの4日間にわたって、自然環境に重点を置いたアテネ市中心部の都市計画構想に取り組みました。

最終日には、各グループによる発表が行われ、講師より批評を受けました。両国の学生は、建築を通じて交流を深め、有意義なワークショップとなりました。

     
                  ワークショップの模様   学生が作った模型を眺める藤本・石上両氏
   

     
                  発表の模様
   

 



木戸修氏 彫刻作品展示



11月22日、東京藝術大学・木戸修教授による彫刻作品「スパイラル」のオープニングが行われました。北村大使による挨拶の後、木戸ご夫妻と同大使による除幕式が続き、白い布から眩いばかりの大きならせん状の彫刻が現れると観客から大きな拍手が湧きました。

ホールには、同作品の製作過程を映し出すスクリーンも設置され、来場者の大きな関心を引いていました。

     
                  左より木戸氏、北村大使   除幕式
   

     
                  作品と観客   ビデオを観賞する来場者
   




東京アンサンブル


11月22日、指揮者であり、バイオリニストでもある服部譲二氏が主宰する室内管弦楽団 「東京アンサンブル」 が公演しました。楽団メンバーの息のあった軽やかな演奏に聴衆は魅せられ、アンコールの拍手喝采が鳴り止みませんでした。

       
                  演奏の模様    
   

     
                  演奏する服部氏 (中央)   観客の拍手に応えるメンバー
   





バーチャルリアリティーショー
 


11月22日から28日まで、大使館と凸版印刷株式会社の共催、ソニーヘラス社等スポンサー各社の協力により、日本の映像技術の最高峰でもあるバーチャルリアリティーショーを行いました。


上映初日となった23日は、ギリシャの博物館や映像技術関係者など200人以上が来場され、北村大使及び時友凸版印刷株式会社専務取締役のご挨拶のあとバーチャルリアリティーの上映、その後カクテルパーティーが開催されました。

     
                  北村大使   時友凸版印刷株式会社専務取締役
   

当該バーチャルリアリティーショーは、日本週間期間中10回にわたり上映され、合計で1000人以上の来場者がありました。

日本のリーディングカンパニーの一つである凸版印刷株式会社の映像技術を紹介し、日本の技術力の高さや様々な分野における利用可能性を示すことにより、今後のギリシャにおける日本企業の更なる活躍が期待されます。




日本関連ブックフェア


11月23 日~ 28 日、アテネコンサートホール内のCD・書籍店の一角に、ギリシャ語訳出版されている日本の文学作品が並べられました。三島由紀夫から村上春樹までギリシャでも有名な日本人作家の作品が店頭を飾り、足を止めて見入る来客の姿が見られました。

     
                  ギリシャ語訳された日本の書籍    日本の図書コーナー
   

 



エルゴン・アンサンブル


11月23日、ギリシャのエルゴン・アンサンブルが望月京(みさと)、原田敬子といった日本の現代作曲家の作品を演奏し、興味深く聞き入る聴衆の姿が印象的でした。

     
                  演奏の模様
   



日・ギリシャ修好110周年シンポジウム: 「過去を知り、現在を理解し、未来に投資するために」


11月24日、「日・ギリシャ修好110周年シンポジウム:過去を知り、現在を理解し、未来に投資するために」 (「国際問題を考える学生の会(SAFIA) 」主催、当館協力) が開催されました。 日本とギリシャの関係について、政治、経済及び文化のそれぞれについて日本とギリシャの有識者がスピーチを行い、聴衆の質問に答えました。当日は、学生を中心に300名近い聴衆が来場されました。

     
                  北村大使冒頭挨拶   ヨルがロスSAFIA会長冒頭挨拶
   

ヨルガロス SAFIA 代表及び北村大使の挨拶の後、政治の部においては、カポプロス記者の進行の下、 ツァカロヤニス教授は、近代の日本が欧州に与えた影響について、ロドゥサキス元駐日大使は、自らの経験を織り交ぜながら日・ギリシャ関係の歩みについて、また、菊間書記官は、二国間の知られざるエピソードについてスピーチを行いました。





写真:
政治の部 (左よりロドゥサキス元在京ギリシャ大使、カポプロス記者、ツァカロヤニス教授、菊間書記官)



経済の部においては、カジス研究員が、日本の急成長を支えた要因や特殊性についてプレゼンテーションを行い、カトピス日希商業会議所事務局長代行は、自らの経験に基づいた日本の商習慣について講演を行いました。





写真:
経済の部 (左よりカジス研究員、 カトピス日希商業会議所事務局長代行)




文化の部においては、木戸共立女子大学教授が日本におけるギリシャ研究について講演を行い、ツェレンディ女史は、マンガに反映された日本の若者文化というテーマで興味深い講演を行いました。

また、ツガラキス・イオニオ大学学長は、明年にも予定されている同大学アジア研究学科について紹介しました。




写真:
木戸雅子教授講演 (左よりヨルガロス会長、ツェレンディ女史、木戸教授、ツガラキス・イオニオ大学学長)


当日は、約6時間に渡るシンポジウムでしたが、会場は常に満員で、日本に対する関心の高さがみてとれました。

     
                  会場の様子   会場受付
   




作曲家・松平頼暁氏講演会



11月24日、作曲家の松平頼暁氏が日本の現代音楽について講演されました。日本人現代作曲家の作品をそれぞれ CD を用いて紹介するなど、丁寧でわかりやすい講義に聴衆は感嘆していました。

     
                  講演の模様
   


 



現代音楽に関するワークショップ



11月24日・25日、 ギリシャ現代音楽グループによりギリシャ人現代作曲家の作品が演奏されました。各作品の演奏前に作曲家本人より作品に対する思いやコンセプトが説明され、聴衆は演奏を堪能しました。

     
                  作品紹介する作曲家   演奏の模様
   

 



和菓子デモンストレーション 



11月25日、大使館と国際交流基金の共催、カラバン社等スポンサー各社の協力により、島根県松江市「彩雲堂」から会長及び職人の方を招き、和菓子に関する講演及び和菓子作りの実演が行われました。

     
                  実演の様子   満席の会場
   

当日は、ギリシャの菓子関連の方々をはじめ、レストランや料理学校の方々など300人以上が来場され、松江市や茶道についての DVD の上映、彩雲堂会長による和菓子の楽しみ方や和菓子を通した日本文化に関する講演などが行われました。

特に、和菓子職人の方による和菓子作りの実演においては、手元を会場スクリーンに大きく映し出されることにより、布巾を使って練りきりをウグイスの形に仕上げたり、はさみを使用して菊の花びらを作り出したりと、その技術に歓声や拍手がおこりました。

     
                  実演する和菓子職人   展示された和菓子を観賞する来場者
   

会場内には和菓子の展示等を行われるなど、和菓子を通じた日本文化の紹介、幅広い魅力を持つ日本食の普及・促進に資するものとなりました。

会場に展示された和菓子

                                            



現代日本演劇に関する講演会



11月25日、平田栄一朗・慶応大学准教授、ハンス=ティース・レーマン・フランクフルト大学教授、エレーニ・ヴァロプル演劇評論家によって、日本の現代演劇について講演が行われました。あまり知られていない日本の同分野が紹介され、聴衆の大きな関心がうかがえました。

     
                  左よりハンス=ティース・レーマン教授、エレーニ・ヴァロプル氏、  平田栄一朗准教授   講演の模様
   
               

 



現代ダンス公演


25・26日、日本のコンテンポラリー ・ ダンスグループ「 Damp Type 」による「 Voyage 」が公演されました。大きな音響効果とメディア・アートが作り出す独特な世界に観客は引き込まれ、好評を博しました。

     
                  公演の模様
   

 



日本ビジネス戦略に関する講演会 


11月26日、大使館、 Nortec Multimedia S.A. 及び TOYOTA HELLAS の共催、その他スポンサー各社の協力により、日本から石坂トヨタ顧問及びドイツから柴田欧州任天堂社長を招き、日本企業のビジネス戦略に関する講演会が行われました。

     
                  石坂トヨタ顧問   柴田欧州任天堂社長
   

当日は、日系企業関係者のみならず、ギリシャ企業やギリシャの経済官庁関係者など300人以上が来場されました。

主に、石坂顧問からは 「TOYOTA WAY」 に関する講演、柴田社長からはエンターテイメント産業に関する講演が行われ、さらにギリシャの EURO BANK チーフエコノミストのハルドゥベルス氏をコメンテーターとして迎えたり、北村大使司会のもとで会場からの自由な質問時間を設けたりするなど、日本のリーディングカンパニーである二社の魅力及びそのビジネス戦略を十分に紹介することができました。

     
                  北村大使とハルドゥベルス氏   講演の模様
   

また、日本企業の魅力と実績及び今後の可能性を紹介することにより、ギリシャ企業のみならず、多くの企業関係者や経済関係者にとって大いに参考となる講演となりました。

今後もギリシャにおける日本企業の活躍が期待されます。

 



現代ギリシャ音楽グループによる演奏会


11月26日、ソドロス・アンドニウ氏率いる現代ギリシャ音楽グループにより武満徹、松平頼暁といった日本の現代作曲家の作品が演奏されました。 

     
                  演奏の模様
   

 



日本酒に関する講演及びテイスティング



11月27日、大使館及び日本ギリシャ協会の共催、素家 (SOYA) を始めスポンサー各社の協力により、日本酒に関する講演及び日本酒のテイスティングが行われました。

     
                  巻き寿司の実演   ブラツァノス氏 
   
                              

当日は、ワイン等の関係者のみならず、レストランやホテル関係者など400人以上が来場され、ギリシャにおける日本酒に対する関心の高さが感じられました。

日本ギリシャ協会会長のブラツァノス氏より日本酒の作り方及び日本酒に通じた日本文化等に関する講演があり、その後、ギリシャ人料理人による巻き寿司の実演、多種の日本酒のテイスティングが行われました。

     
                  展示された酒樽   講演の模様
   

今回は、寿司の作成や日本酒の製造方法にも触れるなど、新たな日本酒の魅力を紹介することができ、日本酒の更なる普及・促進が期待されます。




江戸の新内節浄瑠璃・八王子車人形


11月27日、日本の伝統芸術である江戸の新内節浄瑠璃と八王子車人形の公演が行われました。八王子車人形による華やかな舞、「二人三番曾」で幕が開き、続いて八王子人形西川古柳座 5 代目家元より人形のしくみについて説明がなされた後、鶴賀 若狭掾 (つるがわかさのじょう)・ 鶴賀流 11 代目家元による新内浄瑠璃「蘭蝶」が吟じられました。

最後に、新内節の歯切れのいい語りにのって人形がコミカルに演じる「東海道中膝栗毛」が上演され、満席の会場は笑いと盛大な拍手に包まれました。

     
                  演目 「二人三番曾」   演目 「蘭蝶」、鶴賀若狭 掾氏 〔左〕
   

     
                  車人形の説明をする西川古柳氏   演目 「東海道中膝栗毛」
   




生け花デモンストレーション



11月28日、日本週間、そして今年春より開催されてきた一連の日本・ギリシャ修好110周年記念イベントを締めくくるイベントとなった、生け花の実演が開催されました。冒頭に、北村大使、小原流生け花ギリシャ支部のパパドプール会長より挨拶が行われました。

今回、フランスより招かれた 小原流生け花の講師、 Marcel Vrignaud 氏は、鮮やかな手法で季節の花を次々と活け、最後にギリシャと日本の友好を象徴する作品を完成させると場内から大きな拍手が送られました。

当日、会場には早くから多くの観客が押し寄せ、大きなスクリーンを設置した臨時会場が設けられるほどの大盛況ぶりでした。

     
                  北村大使   パパドプール会長
   

     
                  Marcel Vrignaud 氏   舞台に並んだ生け花の作品
   

 

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