「ギリシャ語能力検定試験」は、1994年にギリシャの文部省(教育・生涯学習・宗教 省)によって設立されたギリシャ語センター(在ギリシャ・テサロニキ)が毎年5月に世 界各地のセンター支部で行っている、ギリシャ文部省(教育・生涯学習・宗教省)認定 の検定試験です。
2011年度実施分からは、ヨーロッパ議会が定める「ヨーロッパ共通参照枠」に合わせて、検定試験は6つのレベルに分かれており、各レベルとも「読解」「聴 解」「作文」「口述」の4つの技能で審査されます。
日本では2007年度からこの試験を受験できるようになりました。全国各地でギリシャ語を学んでいる皆さんが日頃の学習成果す機会としてこの検定試験にチャレンジされることを願っています。
【内容:レべルは6つ】
各レベルについて 以下は一応の目安です。
Α 1 レべル
日常的な決まり文句や、必要に応じて対処するための基本的な表現を理解し、使用できる。自己紹介ができ、他の人を紹介することができる。どこに住んでいるのか、知っている人のこと、もっているものなど、個人的な情報に関してたずねたり、質問に答えたりで きる。相手がゆっくりとはっきり話し、助けてくれれば、簡単な表現で会話できる。
自分自身や身近な人々について情報を提供したり受けたりできる。日常生活に必要なこ と(日用品の買い物、各種サービス窓口での用事)ができる。社交的あるいは仕事上でのつきあい(紹介、招待、レジャー)をし、それを継続させることができる。主に対面で、 また、電話やメディアを利用しなければならない場合にも、口頭でコミュニケーションがとれる。平易なことばで書かれた文章の筋や詳細を理解できる。同様に自分自身も書いて表現できる。
Α 2 レべル
基本的なコミュニケーション能力があり、日常のことや情報のやり取りのためにギリシャ語で話したり書いたり、フォーマルな表現やインフォーマルな表現を使うことができる。 個人や家族に関わること、買い物、レジャーなどでよく使われる文や表現を理解できる。
基本的な言語技能を使ってコミュニケーションがとれる。身近な話題について簡単で直接 的な情報交換ができる。また、身近なこと、決まりごと、緊急のことなどの情報交換がで きる。
Β 1 レべル
ギリシャ語を使うことが前提となっている環境の中で、日常的なことの直接のやり取りにギリシャ語で対応することができる。相手と話しながら会話の中で社会的あるいは職業上の関係をつくり、それを持続していける。間接的なコミュニケーションでは、聞いたことや書かれたものの本質やある程度の詳細を理解することができる。また、言語にまつわること、そうでないことを含め、社会的慣習についての知識がある。(言語にまつわること: 他者の注意を引くためのことば、相手への話しかけ方、受け答え、やり取りの結論をまと める、ことばの使い方をフォーマルにするかインフォーマルにするかを選ぶ等。言語にま つわるものではないこと:自然なやり取りの仕方、握手、挨拶のキス、ジェスチャー等。) 現代ギリシャ文化の特徴-中でも特に日常生活に関わること、生活環境、対人関係、世間づきあい、基本的価値観、国民性-をある程度理解している。
Β 2 レべル
自分の思ったことをギリシャ語で容易にしかも自然に表すことができ、人とのコミュニケーションにプレッシャーや困難がない。具体的または抽象的な話題の趣旨が理解でき、さらに自らの専門分野に関わる技術的な話題もこなすことができる。幅広い分野の話題で 明瞭かつ詳細に文章を書いたり話したりできる。さまざまな選択肢の長所や短所を挙げながら1つの話題について意見を言える。
日常的な場面で問題や突発的なことが起きた場合に柔軟にしっかりと対処できる。言語にまつわること、そうでないことを含め、社会的慣習に従って適切に行動できる(礼儀をことばで表す、フォーマルなことばを使うかインフ ォーマルなことばを使うか、ジェスチャー、自然な距離感、自然なつきあい、等)。現代ギリシャ文化の基本的特徴に精通しており(生活環境、世間づきあい、基本的価値観等)、文化のちがいや風俗習慣、これらのちがいから生じるかもしれない誤解についての知識がある。自らの国(日本)の社会や国民性と、ギリシャ語を話す人々の社会や国民性の、社会文化的なちがいについての知識がある。
Γ 1 レべル
ギリシャ・キプロス・その他のギリシャ語が使われる地域(諸外国のギリシャ人コミュニティ)を訪問または一時滞在した場合や、自らの国(日本)でギリシャ語を使う訪問者・ 一時滞在者・定住者に会った場合に想定される状況に、ギリシャ語を使って対応できる。
日常のつきあい以外に想定される状況とは、社会的つながりをつくり、持続していくための個人的・直接的コミュニケーションに関わるものや、公の生活(企業・教育・福祉等)のさまざまな場面で問題解決するための直接的または間接的コミュニケーションに関わるものがある。長くて要求度が高い話または文章の内容を幅広く理解でき、その中に含まれている間接的な情報を認識できる。さまざまな話または文章の出所から情報を要約できる。
論点と間接的な言及を結びつけて再構成し、それを発表できる。考える時間をかけること なく自然な正しい表現ができる。それぞれの場に合わせて形式的または気持ちを込めた表 現ができる。
社会生活上、学術上、業務上の目的のために言語を流暢で効果的に使うことができる。自信をもって接続語などの言語的手法を用い、複雑なテーマを明瞭でしっかりと詳細がわかるように表現できる。
Γ 2 レべル
妨害や歪曲、周囲の騒音があったり、話者の発音が特異である場合の聴き取り、印刷状態が悪いものや読みにくい筆記の理解など、どのような場面のコミュニケーションにも対 応できる。日常話されることやジョーク・文化的な内容を含め、聞くこと、読むものはほ とんどすべて容易に理解できる。あらゆる口述または文字情報を問題なく正確に処理することができ、論点や記述を再構成して要約し、筋の通った発表ができる。どのようなテーマの文章や口述にも自然な表現で余裕をもって正確で効果的に処理できる。特別複雑な場合であっても細かい意味の特徴によって区分けできる。
【受験について】
受験に際しては特に条件はありません。どなたでも自由に希望するレベルを受験でき、ひとり
で複数のレベル(いくつでも)を受験することができます( 各レベルの受験料を支払うことが必要です)。
ご自分のレベルがわからない方はギリシャ語センター本部のホームページから試験問題の例題 をダウンロードして自己診断することができます。
※各レベルの試験問題の例題はこちらからダウンロードできます。
⇒A 1 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/137
⇒A 2 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/143
⇒Β1 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/142
⇒Β2 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/149
⇒Γ1 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/154
⇒Γ2 レベル例題:
http://www.greeklanguage.gr/certification/node/150
日本での受験をご希望の方
問い合わせ先:
日本試験センター事務局
e-mail:
info@e-girisha.com
Tel.(03) 6459-2220(柳田)
ギリシャでの受験をご希望の方 :
申し込み方法等の詳細については
ギリシャ語センターサイト をご覧下さい。